〔意見特集〕テロと報復戦争─あなたはどう思う?

殺戮のテロ行為をやって
いるのはアメリカなのだ!

アメリカ・城崎勉

2001年 11月15日
通巻 1093号

 貴紙9・5号の立場を基本的に支持します。(9・25号に載った手紙は、同時攻撃以降の郵便物の混乱状況の中での友人への私信でしたから、あらためて立場表明というわけです。)
 少し旧聞になりますが、同時攻撃1ヵ月後にニューヨークの現地を訪問したサウジの一王子と同市長との間でのかけ合いがありましたね。私たちは、《どっちもエエカッコしやがって。本当に困ってる人に…と思うのならあいつはその1000万ドルをアフガンなどの飢えたる人々に差し出すべきだろう》といったことを言っていました。
 その王子の頭に、パレスチナのことはあったでしょうが、果してイラクの人々のことがあったのかどうかは推し測りようがありません。しかし、1996年の時点でオルブライトは50万の子どもたちが「制裁」のせいで死亡していることを認めているのです。そして、その数は今や軽く100万を越えているそうです。アラブ諸国はもちろんのこと、ロシア、中国、フランスなどもが合衆国の制裁継続に異をとなえているのはそういうことに起因しています。数字こそ違え、アフガニスタンだって同じような状況だったはずです。
 それにしてもあきれたもんだな、と思ったことがあります。旧JRAの人々の中に、「同時攻撃はテロだ。とんでもないことだ」という意のことを言っているのがいることです。
 もし彼らが本当に「無差別テロリスト」であったならば、軍事と経済の象徴なんかでなくて、東海岸に散在する原発施設に次々と突っ込んだ方が文字通りのディズアスター(大惨事)を生じたことだろう。そのためには、あんな大きな飛行機にこだわる必要はなく、双発プロペラ機程度でも、十分にメルトダウンをもたらしただろう。それに、ハイジャックも、操縦もよりたやすいだろう…。
 250ポンド爆弾で6階建てのビルは崩壊する。じゃ、2.5トン爆弾では…、そんなのわかりっこなし。ベトナム戦争時、合衆国はダムを破壊しハノイなどに洪水をおこさせようとして投下したのが、1トン爆弾だった。本当に、人々を殺すためのテロ行為をやってるのはこの国なのだ。
 話を戻して、自分たちと違う考え、行動、戦術などを展開したからといって、敵と同様に「テロリスト」呼ばわりしてしまう人々には本当に唖然です。
 そういえば、その昔、トロッキストとか毛盲従分子とか言って、権力と同じ側から非難してたのがいましたっけ。でも我々はモスレム原理主義といわれたイランの革命を評価し、ハズバラーやハマスなどの闘いを評価してきたはず。どうして、そういう視点から同時攻撃を見ることができないのだろう、と思わざるをえません。
 また、ひるがえって、テロと非難する同じ視点から、彼らが自己賛美している(はずの)レッド闘争(アラブ語ではレッドが正しい地名です)を再評価してみたら(?!)と言ってやりたくなります。
 爆弾も銃も用いずにあんなすごい破壊力の攻撃を示したのは本当に驚きです。
 ところで、あの が造られたとき、かなりの震度の地震でも、ミサイル攻撃でも大丈夫というふうに太鼓判をおしていた連中がいたそうです。そういう連中の責任、信用ってのは一体どうなってんのでしょうね。
 同様に、1995年の地震のとき、ばたばたと倒れたビルや橋の設計や工事や保証やらをした連中の責任・信用ってのも、ちゃんと問われたのだろうか、と思わざるを得ません。

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人民新聞社

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