殺すな!イラク市民 やめろ!ブッシュ追随

ブッシュに付き従い地獄への道を選択した小泉NO!

2003年 12月15日
通巻 1164号

孤児たちにも無言でクラスター爆弾投下

 まず、イラク戦線から帰還した米軍下士官兵の証言を。「小さな子供たちの集団をまるごと一掃したクラスター爆弾の急襲についてお話します。この子供たちは既に親を失っていて、道路の外れにあったイラク軍用車隊の残骸から食物などを探し出そうとしているように見えました。この近辺を清掃するため、焼け残ったイラク軍の車列に今からクラスター爆弾を投下する、という予告を我々が受け、我々は無線通信を通じて爆撃を止めさせようとしました。しかし、「中止するには遅すぎる」と言われました。

 ・・・その爆弾が炸裂したとき、我々にはバラバラになった人体が空中に飛び散るのが見えました。我々は、この呪うべき情況に何もできず、ただその光景を眺めながら、無線機の向こうで押し黙って爆弾を投下しているくそパイロットに向かって警告を発し続けただけでした。

 爆撃後、我々は生存者がいないかどうか確かめに行きましたが、見つかったのは小さな子供たちの粉砕された肉片だけで、あちらこちらに腕や脚などが散在していました。(日刊ベリタ 「アメリカよ、目を覚ませ!」より)

 これが、小泉の言う「イラク復興・支援」の現実なのだ。

 軍規違反による逮捕を覚悟でインタビューに応じたこの下士官は、「この戦争は、大学に行くため、あるいはよりよい将来を掴むために軍隊に応募した、多くの貧困層のアメリカ人を殺しています。あそこで死につつあるのは我々庶民だけだ」として、ブッシュ政権関係者の行為を、イラクと米兵への卑劣な犯罪と糾弾している。

 イラク派兵を決定した小泉は、「イラクの子供たちのために」と繰り返すが、劣化ウランの後遺症で苦しんでいるイラクの子供の一人でも、日本で治療を受けさせるために受け入れるかというと、アメリカに遠慮して、決してやろうとしない。それどころか、「アメリカが劣化ウランを弾を使ったかどうか知らないし、調査するつもりもない」と言うのだ。米軍の武器兵員輸送も行う自衛隊派遣を決定した小泉は、イラクの子供たちの命をもその口実に使っている

フセイン拘束ではしゃいでいるのは日米政府だけ

フセイン元大統領が米軍に拘束された。日米政府は、マスコミを通じて「これでイラクは安定に向かう」というイメージを必死で演出しようとしている。

 しかし、欧州では対照的に、抑制された反応が目立つ。英国では、ブレア首相に向ける国民の視線は依然厳しく、タイムズ紙は「首相に有利なニュースが飛び込んだのに英メディアが首相に対して冷ややかな反応を示したことは首相の命運が尽きたことを意味する」と指摘。ガーディアン紙も一六日付社説で、「不幸なことに前大統領の拘束でも英政府は大はしゃぎできない」と、ブレア政権が国民の信頼を取り戻せないことを強調した。

 また、イラク戦争に反対した仏独では、元大統領拘束よりも本当にテロの終えんや再建の加速に結びつくかどうか、疑問視する方が多く、全体的に「フセイン効果」はあまり大きくはないのだ。

 さらにアラブ世論をみると、各地で抗議デモが起こり、フセインに批判的なジャーナリストでも「悪い指導者であっても、外国の軍隊に逮捕されるのをみるのは辛い」と複雑な胸の内を明かしている。また、ヨルダン弁護士協会のフセイン・マジャリ会長は一五日、イラクのフセイン元大統領の裁判で元大統領を弁護するため、アラブ各国の弁護士からなる「アラブ弁護団」結成を呼びかける声明を出した。「米国ら連合国のイラク駐留は『違法』であり、フセイン元大統領が今も『正当なイラク大統領』である」と強調している。 各地で抗議デモが起こり、フセインに批判的なジャーナリストでも「悪い指導者であっても、外国の軍隊に逮捕されるのをみるのは辛い」と複雑な胸の内を明かしている。また、ヨルダン弁護士協会のフセイン・マジャリ会長は一五日、イラクのフセイン元大統領の裁判で元大統領を弁護するため、アラブ各国の弁護士からなる「アラブ弁護団」結成を呼びかける声明を出した。「米国ら連合国のイラク駐留は『違法』であり、フセイン元大統領が今も『正当なイラク大統領』である」と強調している。 こうしてみると、フセイン拘束ではしゃいでいる日米政府・マスコミは、国際世論の中では少数派で、むしろ孤立感の裏返しとも言える姿だ。

 小泉政権は、イラク派兵決定に続き、ミサイル防衛システムの導入も決定した。ミサイル防衛システムは、報復の心配なく先制攻撃を可能にするためのシステムであり、同時に日米軍需企業に巨額の利益をもたらすものだ。

 二〇〇三年一二月は、日本が米国に付き従って地獄への道を歩み始めた歴史的瞬間となった。      (編集部)

人民新聞社

このページは更新終了しております。最新版は新ページに移動済みです。