市民リレートーク&街頭世論調査に参加して   

日頃から市民同士のネットワークを
  構築しておくことの大事さを実感

2001年 11月5日
通巻 1092号

 国会では「あっ」という間に「テロ特措法」が成立してしまった。国権の最高機関である国会がこうもやすやすと憲法を踏みにじっては、「法治国家は成り立たんやろ」と思うのだが。

「あの事件」以降地域で活発に
 さて、「大阪国際空港への米軍機乗り入れに反対する市民ネットワーク」は、空港周辺五市(豊中・伊丹・川西・尼崎・宝塚)の市民グループで構成される。今年初めより、署名や集会などに取り組んできた。このネットワークがニューヨークでの「あの事件」以降、地域で活発に動いている。
 9月24日、阪急川西能勢口駅前で、連続企画〔「いややねん戦争」市民リレートーク&街頭世論調査〕をスタートさせた。これまでに阪神各地で五回続けている。いずれも2時間前後のリレートークだが、発言する市民は途切れず、「アフガンの罪のない子どもを殺すな」「武力は更なる暴力を生むだけ。飢餓と貧困を解決すべきだ」「誰の命も等しく尊い。絶対に戦争はイヤ」等々、それぞれの立場で主張。
 世論調査は会場にボードを置き、「米国の報復戦争に日本は協力すべきか」の問いに「YES」「NO」で答えてもらった。参加総数は中学生からお年寄りまで、合わせて1795名。YES・354名(20%)、NO・1329名(74%)、分からない・112名(60%)。永田町とは違って、市民の圧倒的多数は自衛隊の参戦に反対していることが明らかになった。特に若者の反応が敏感で、ほとんどが「NO」に投票したのが印象に残った。
 11月3日には「緊急集会―アフガニスタンはいま」を、伊丹市内で開催。講師は毎日新聞編集委員と中川ともこ社民党衆議院議員。チラシや新聞の案内板で知った市民ら約70人が参加し、熱心に聞き入った。

「戦争はイヤ。平和がいいに決まってる」
 翌4日には、「自衛隊の参戦に反対する川西市民ネットワーク」との共催で「ピースウォーク」(デモ行進)を実施。急な呼びかけだったにもかかわらず、川西市民を中心に約60名が集まった。デモの先頭には「飾りじゃないのよ、憲法は…」の横断幕を掲げ、「イマジン」「死んだ男の残したものは」「花」等を歌いながら、賑やかに川西の中心街を歩いた。
 この間の活動を振り返り、日頃から市民同士のネットワークを構築しておくことがいかに大事かを実感した。各市の市民グループが全くバラバラでは、これだけの動きは展開できなかっただろう。また、一連の活動に対する手応えは大変良く、多くの市民が確実に「戦争はイヤ。平和がいいに決まってる」という意識が根づいていることが分かった。
 一昨年以来「盗聴法」「国民総背番号制」「周辺事態法」「国旗・国家法」…なんとも恐ろしい法律が立て続けに成立している。しかし、法だけでは戦争はできない。私たちが反戦の行動を止めた時、口をつぐんでしまった時、それらの法律は正体をあらわにし、猛威を振るうのだろう。そうさせないために、更に互いの信頼関係を深め、反戦平和の運動を大きくしていきたい。
 自己満足に終わることなく、多くの市民と手を携えていこう。

(兵庫・匿名)

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