米国の戦争拡大と日本の現状について

京都・渭原武司

2001年 12月5日
通巻 1095号

 憲法の9条を勝手に拡大解釈し、戦後初めて自衛隊を戦争支援で海外に派遣した今の日本は戦争への道を再び走るのか―。ブッシュ政権は次の標的としてイラクを示唆している。米国がイラクへと戦争を拡大していけば、自衛隊も自動的に参加していく可能性は強い。テロ直後、米国訪問した小泉首相は「我々は米国とともにある」と言い、どこまでついていくのか。こんな危ない人物を支持する人々が多数いる日本の現状は情けない。
 太平洋戦争で、どんな人たちがどんな思いで死んで(あるは殺されて)いったかを、日本の人々はもっと知る必要がある。戦没者310万人のうち、軍人・軍属230万人(約6割は戦闘によるものではなく、栄養失調による病気や飢えだった)外地での一般邦人30万人(日本軍に見捨てられ、集団自決した婦女子たちもいる。中国東北部では残留孤児や残留婦人となった人たちもいる)空爆などによる内地での民間人50万人(広島・長崎は原爆、東京は新型焼夷弾などの投下で大量殺戮された)と言うことである。それよりも日本が被害をもらたしたアジアの犠牲者は2千万人と言われている。
 アフガニスタン空爆で使っている「クラスター爆弾」が地雷に続く「非人道的な兵器」と言われている。ブッシュ大統領はイラクを「大量破壊兵器を開発する国」としているが、米国は太平洋戦争当時から、このような兵器をどこの国よりも早く開発していたのだ。同時多発テロ事件は、絶対に許せない殺戮行為であるが、米軍機がやっていることも一般民衆の大量殺戮であり、戦争犯罪といえる行為であり、国家によるテロである。今度こそ国家ではなく民衆の視点で考えてほしい、と思う次第である。 

(一部割愛)

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