反ガイドライン軍事情報

原因究明のため提訴を

米弁護士が呼びかけ

共同通信 2月25日

2001年 2月25日
通巻 1069号

 

 米原潜と衝突、沈没した実習船えひめ丸の行方不明者の家族らに対し、米ハワイ・ホノルル在住の弁護士が「衝突の事故原因を究明するため、米政府を相手に損害賠償を求める訴えをぜひ起こすべきだ」と熱心に呼びかけている。
 海難事故を長年手がけてきたジェイ・フリードハイム弁護士( 51)。23日、共同通信の取材に応じ「えひめ丸側に落ち度はないはずなので過失相殺はない。逸失利益を含めると、不明者1人当たり300万〜500万ドル(約3億4800万〜5億8000万円)の賠償額が支払われるのが妥当」と指摘した。
 弁護士は、不明者の家族らがハワイの連邦地裁に訴えを起こせば原潜搭乗の民間人を証人として出廷させることも可能で、米海軍が事故原因についてまとめた「暫定報告書」の信頼性を検証できるほか、事故当時の艦内の詳しい状況
も分かるとしている。
 えひめ丸の沈没に伴い、逃げ遅れた不明者が船体に閉じこめられ水死した苦痛を「死への恐怖」と位置付け、その慰謝料分とえひめ丸側に過失がまったくないことを合わせると、通常の海難・運輸事故より高額の賠償額を請求できると弁護士は分析している。
 弁護士は「米国では自分の権利は自分で守り、自分で勝ち取らなければならない。日米両国政府の対応を待っていては、本当の事故原因はいつまでたっても知らされないだろう」と強調し、「自分たち家族が裁判を通じて原因を解明するんだという姿勢で臨んだ方がよい」と助言した。

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人民新聞社

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