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2013/6/25更新

福島訪問記(5月24〜25日)

原発事故・被ばくをうやむやにしない「復興」を!

5月24〜25日の2日間、福島を訪問した。今回は、斉藤里内仮設住宅(三春町)、福祉の森公園仮設住宅、御前池公園仮設住宅(田村市)の訪問が中心。

この福島訪問は、大阪の古河潤一さん(介護ヘルパー)が、震災直後の2011年5月から、福島の仮設住宅を訪問しているボランティアに同行させてもらったもの。三里塚の野菜を積み込んで、行く先々の仮設住宅で配る。TVで報道されるような大規模な仮設とは違い、比較的小規模のため援助物資が来ることもなく、古河さんの持ってきた三里塚の野菜が「初めての支援物資」だったと、感謝されたそうだ。

時には趙博さん(本紙連載「パギやん吠える!」でもおなじみ。浪花の歌う巨人・パギやん)や、はちようび(大阪のロックバンド)などのミュージシャンも同行して、現地でミニコンサートすることもある。人呼んで「歌と野菜のパルチザン」。

どの仮設住宅でも、私たちの訪問は歓迎していただいた。「楽しみにしてたよ」「いつもありがとうね」。仮設の皆さんが一同に集まって、「青空市」でみんなでワイワイやっているところもあれば、昼間仮設に残っている人たちで、テキパキと全員分の「野菜セット」を作るところもあった。いずれにしても、仮設の人たちは村単位でまるごと避難してきたこともあって、「みんなで助け合って生きていくんだ」という雰囲気が感じられた。2日間で回ったのは、津波の被害のあった「浜通り」ではなく、やや内陸に入った地域だったため、仮設住宅の存在以外に、震災があったことを感じさせる痕跡は見当たらなかった。参院選挙を控え、道ばたに掲示されていた選挙ポスターにある候補者の笑顔が、やたら場違いに感じられたくらいだ。

また、三春町・田村市は、福島第一原発から20〜50`圏内にあるが、街中では、ジャージ姿の中学生・高校生が授業やクラブ活動で走っていた。もう原発事故・放射能は気にしないで復興に頑張ろう、とでもいう雰囲気(同調圧力とでも言えばいいのだろうか)があった。

「福島の声」を伝えたい

25日夕、福島第一原発から約20`の葛尾村を地元のMさんに案内していただいた。すでに福島の他地域では田植えも終わっていたが、葛尾川沿いに広がる田は、稲刈り後の風景のままだった。「いつ「福島の声」を伝えたいもだったら、田んぼに水が張られてきれいなんだけど…」とMさん。雑草が伸び放題でなかったのは、ときおり自分の田んぼを見に来て、草刈りをするという。

村の所々にはモニタリングポストが設置されている。前号でお伝えしたように、ポストの周りは徹底的に除染されているのだろう。その中のひとつは「0・409」(μSv)の数値を示していた。

周辺の山裾部分では、多くの労働者が除染作業をやっていた。葛尾の除染は始まったばかりで、2000人が除染に投入される予定だという。

今後は、古河さんからのレポートをお願いすると同時に、私も数カ月に1回の割合で参加し、そこで見聞きしたことをこの紙面で伝えしていきたい(同時に野菜を積み込む三里塚の様子も)。「原発事故・被ばくの問題は何も解決していない」「福島の人たちは、仮設住宅をはじめ、福島各地で苦労を抱えながら、元気に生きている」─そんな報告にしていきたい。(編集部一ノ瀬)

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