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2012/11/30更新

「放射能がれき拡散するな!」の声を暴力で圧殺する橋下市長

関西で、反原発運動への弾圧が続いている。大阪市の震災がれき焼却をめぐって、11月13日「東日本大震災により生じた廃棄物の試験処理説明会」(以下、説明会)が行なわれたが、会場の此花区民ホールで、4人が「建造物侵入」「公務執行妨害」の容疑で逮捕された。

16日には10月5日の関電前抗議行動でAさんを不当逮捕した天満警察署への抗議行動に参加していたBさんが、「公務執行妨害」「器物損壊」の容疑で令状逮捕されている。また震災がれきが大阪に到着した22日には、がれき保管場所のコンテナ埠頭に不法侵入したとして1人が逮捕された。「反原発運動つぶし」に目の色を変え始めた大阪府・市と大阪府警。説明会の模様をレポートする。(編集部一ノ瀬)

大阪市のがれき焼却説明会4人不当逮捕

11月13日。この日は午後7時からの「東日本大震災により生じた廃棄物の試験処理説明会」(以下、説明会)を前に、此花区民ホールの入り口ロビー付近では、「焼却反対」を訴える人々が早くから詰めかけ、太鼓を打ち鳴らしながら、橋下市長・大阪市への抗議のコールを繰り返していた。

午後5時過ぎ、大阪府警の警官隊が突然押し寄せ、4人を指さして「建造物侵入」「公務執行妨害」容疑で逮捕し連れ去った。4人はいずれも大阪市役所横で「がれき焼却反対」を訴えている「原発再稼働反対監視テント」や、関西電力前での「関電包囲行動」を中心になって取り組んでいた活動家だ。

「4人の逮捕後も、ロビーで太鼓を打ち鳴らしながら抗議を続けていた人もいたけど、その人たちは何ともなかった。明らかに最初から4人を狙っていた」(目撃者談)。

説明会はがれき焼却強行へのアリバイ作り

これまで多くの団体・個人が、理を尽くして、大阪市や国にがれき焼却の安全性に対する質問を重ねてきた。しかし、返ってくる回答は「国の安全基準を満たしています」。「がれき焼却について、多くの市民がその事実を知らされず、安全性についての満足な回答もないまま、説明会が強行されることは、大阪市が『市民に説明した』というアリバイ作り。あとは焼却が強行されてしまう」(阪南大学准教授・下地真樹さん)。

説明会は、参加者の「焼却反対!」コールの大合唱の中で始まった。大阪市はその中でも会場に声が通るスピーカーを用意し、ときおり「お静かに願います」との市職員の注意を何度もはさみながら、大阪市環境局長らの説明が淡々と続けられた。また、中之島公会堂での説明会(8月30日、橋下市長や松井知事も出席)で懲りたのか、質疑 応答での発言を3分に制限。「時間オーバーの場合は、マイクの電源を切ることもあります」と、高圧的な態度だった。

質疑応答では、「がれき焼却は問題ない」と繰り返す大阪市に対して、「市民の命や人権なんて何も考えていない」「会場には、東北から避難してきているお母さんもいる。こうした皆さんの不安にどう答えるのか」という声が続出。大阪市の回答は「安全基準内」以上のものではなかった。

その頃、インターネットで、「試験焼却は24日」というニュースが流れた。それを知った参加者から、「説明会も終わらないうちに、焼却日が出ているなんて、どういうことですか?!」との声が上がり、会場は騒然となった。

午後9時前。市側は、「時間になりましたので、これで終了します」と宣言。質疑応答を打ち切り、逃げるように退出。会場の市職員と、ひかえていた大阪府警の警官隊が会場になだれ込み、参加者をに囲い込むようにしながら追い出していった。

「大阪市の役人たちは、自分の責任で話をしている人が誰もいませんでした。国や大阪市は、がれきを全国に拡散させることによって、私たち の健康と引き替えに東電を免罪し、補償さえしようとしているのです」(下地さん)。

追いつめられた原子力ムラ─必死の弾圧

22日には、4人のうちの1人の拘留理由開示公判がおこなわれたが(3人は黙秘を理由に公判が認められず)、「首に黄色いスカーフを巻いている」「車いすは傍聴の妨害」等の理由で4人の傍聴者が退廷を命じられ、さらに裁判長は傍聴できずに法廷前の廊下に待機している全員に対して、裁判所敷地外への退去命令を出すなど、前代未聞の嫌がらせがおこなわれた。4人の逮捕は、一連の不当逮捕と一本の線でつながった反原発運動・がれき焼却反対運動にかけられた弾圧だ。こうした弾圧は、「脱原発」の広がりが原子力ムラを追いつめている証しだ。さらなる「反原発」の声と、弾圧への反撃を!

11.13弾圧救援会
カンパ振込先…郵便振替「00980−2−195109」(加入者名「関電包囲行動」)
※通信欄に「11.13救援カンパ」と必ず明記してください

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