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更新日:2010/10/25(月)

[政治] 千葉法相は、なぜ死刑執行命令書にサインしたのか?
──かたつむりの会 坂口誠也

変節?それとも死刑廃止に向けたアプローチ?

死刑廃止論者で、死刑廃止運動の活動家でもあると見られていた千葉法相が、死刑執行命令書にサインした。東京拘置所の刑場を報道機関に初めて公開し、死刑についての情報開示を進めた上で、「死刑制度の存廃も含めた国民的な議論」を呼びかけている。

変節なのか? 死刑廃止に向けた千葉さんなりのアプローチなのか? かたつむりの会の坂口さんに、意見を寄せてもらった。(編集部)

強い圧力と千葉さんの動揺

7月28日、東京拘置所で篠沢一男さん、尾形英紀さんへの死刑執行があった。

09年7月28日、3人の執行から1年。民主党政権になって初めての執行だった。

千葉法相は、就任するまでアムネスティ議員連盟の事務局長であり、死刑廃止議員連盟のメンバーであったことから、執行はないと思っていた。

なぜ執行命令を出したのか。今回の執行に関わるいくつかの情報をまとめてみた。

@いかなる法務大臣でも執行させる、1年以上執行の間をおかない、という法務官僚の強い意志のあらわれ。7月は法務省人事の月で、異動になる官僚もいることから、踏み切った。

A7月の参院選で千葉さんは落選した。選挙で不信任とされた大臣による執行との批判をかわすために、自身の参議院の任期が満了する前日、7月24日土曜日に登庁し、死刑執行命令書にサインした。

B裁判員裁判で、今後死刑を判断するようなことが出てくる。その時に、国の制度として死刑があるにもかかわらず、そのトップである大臣が死刑執行の決断をしないということが許されるのか、という官僚からの批判に抗しきれなくなった。

C今年春頃から「大臣の職責」と、繰り返し口にするようになったという。執行命令にサインしないのなら大臣就任は間違い、法にある死刑を執行することは大臣としての責務、との批判、官僚による説得を跳ね返せなかった。「職責」を言いだした時点で、官僚に負けたのだ。

D千葉さんは、「死刑制度について国民的議論を行いたい」と言ってきた。国民的議論とは何か?と思うのだが…。執行後の記者会見で、「議論に資する」ために刑場公開(勉強会も)を行う、と言った。法務省は、刑場の公開をほとんど禁じてきた。その刑場を「公開」するという法務省の「決断」と、千葉さんは「死刑執行」を引き替えにした。

E2月の内閣府の世論調査で、85.6%が死刑容認という結果が明らかになり、過去最高になった。菅首相は執行のあった28日夕、「千葉大臣は、まさに法律に沿って適正な判断をされた」と記者団に語り、死刑容認の立場を明確にした。世論と民主党の圧力に対し、千葉さんは、これを無視し通すことはできなかった。

いくつも理由はある。それらがつながりあって、千葉さんによる執行ゴーサインとなった。

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