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▲引き上げられた「天安」後部
更新日:2010/07/25(月)

[海外] 韓国/韓国哨戒艦沈没事件 軍の調査報告書に重大な疑義

「天安」沈没の決定的証拠は?

3月26日、黄海上の白島西南方の北方限界線(軍事境界線)付近で、韓国の哨戒艦「天安」が沈没した。韓国政府の発表によれば、船体後方が爆発し、船体が2つに切断されて沈没したという。5月20日、韓国の李明博政権と韓国軍は、この沈没の原因について「北朝鮮の魚雷攻撃」とする調査結果を発表した。

この調査結果発表を受けて米国は、国連による制裁を呼びかけ、日本政府もいち早く同調している。

ところが、韓国軍の調査結果に対し、異議を唱える調査委員が、自身の見解を公表し、クリントン長官に送付したのをはじめ、韓国内外から疑問が寄せられている。

韓国国会の推薦を受けて調査官に就任したシン・サンチョル氏によると、「爆発を示す物的証拠は全く存在せず、座礁と離礁を示す証拠しかない」としたうえで、「座礁した後に、海上艦か潜水艦に衝突され、沈没した」との見解を示している。

この他にも、5月20日、韓国の宗教・労働・女性・民主39団体が、共同で記者会見を行い、軍発表の証拠・根拠について、数々の疑問を呈し、軍に説明を求めた。

韓国政府調査団メンバーの疑問

まず、調査メンバー・シン・サンチョル氏の見解を紹介する。

同氏は、韓国海洋大学を卒業し、航海および砲術士官として2年間海軍に在籍。その後、韓進海運で航海士として極東と米国西海岸の定期航路貨物船に乗船勤務し、さらに現代、サムスン、大宇、韓進重工等の造船所で7年間、造船検査業務を経験した。現在、韓国軍当局から名誉毀損で訴えられている。

同氏の結論は、まず@「座礁」事故が起き、次にA海上艦か潜水艦と衝突して、船体は2つに裂かれた、という。その根拠は、@韓国海岸警備隊への第一報は「座礁!」であったこと、A船体に残された傷は、すべて爆発ではなく、座礁を指し示している。さらに、B船体が割れた付近で見つかった犠牲者の遺体の損傷が少なく、付近に死んだ魚すらみつからないことから、爆発は考えられない、という。

次に船体が2つに裂かれた原因として、@岩への衝突、A爆発、B金属疲労、C衝突、という4つの可能性について検討している。

まず、@近辺に割れた岩は皆無だったために、岩は除外。A爆発した証拠は全く見つからなかったために、爆発も除外。B割れ目は底から始まっていたため、金属疲労も除外。つまり、残りはC=「衝突」だとの結論を導き出している。「今後、裁判で自らの主張の正しさを証明する」と語っている。

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