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更新日:2009/10/27(火)

[コラム]五味正彦/農林業と地域活性化 そして「もう一つの働き方」

地域活性化のための6次産業論

1970年に「ミニコミ書店・模索舎」をつくって以来、ずっと「もうひとつの働き方」に興味を持ち続けている。当時は 就職しないで生きるには という言い方が流行って、晶文社という出版社からはシリーズで11冊も本が出ている。当然模索舎の話も本にまとめないか、という話が編集長(当時)の津野海太郎氏からあったが、丁度その頃(1977年)模索舎をやめるか、継続するのかという議論が続いていたので、断った記憶がある。

次いで87年に「有機本屋=ほんコミ社」をつくった時、その準備で全国を回り、地域格差の拡大や駅前やそれまでの中心街の衰退の始まりに出会い、ほんコミ社を辞めた次は地域再生か、有機農業のお手伝いができればいいなと、ほんコミ社発足当時から考え、その方向を念頭に置いて仕事をつくってきた。

─例えば本の販売拠点(本の卸先の店や団体等)を全国各地方・各県に確保するとか。多少効率が悪くても、この地方には無いな、という場合は希望があった自然食品店等に本を出荷した。

この方針は最近私が企画した2冊の本『おいしいごはんの店──自然派レストラン全国ガイド』、『やさしいくらしの店全国ガイド──自然派ショップ全国ガイド』(いずれも野草社刊)でも貫いて全47都道府県を網羅したものにした。取材の時にはなるべく、地元の食材や野菜や米の生産者、醤油や豆腐などの加工業者も聞いてきた。こうやって集めたデータはいずれ、地域活性化のための、6次産業論(1+2+3=6次、又は1×2×3=6次)活用の際に役に立つ。

有機農業には三里塚闘争の一環で多少の関わりを持ち、自分でも子育てしながら10年程畑を耕した。─故・福岡正信さんをはじめ、不耕起という考え方があるのは知っていたが、自分の畑でやれるとは当時思わなかった。今は様々な畑や田を見て、耕さない、という考え方、思ったよりやり易くてうまくいきそう、と変わってきた。多少収穫量が減っても手間も減るのだからいいではないか。ただしその土地に合った作物、地場の昔からある種、というのがうまくいくコツのようだ。多国籍企業や大手のF1の種など使わず、同じ作物ばかり作らず、季節に合った多品種少量生産でいきたい。

林業分野でも、間伐材を活用し、身の回りの雑貨等を可能な限り、石油化学製品から国産間伐材に変える、という提案をしてきている。塗料や接着剤もなるべく石油化学製品を使わず、天然塗料・天然接着剤を使う。そもそも必要でない塗料は使わない。無垢材の木の香り漂う室内になった方が、心にも体にも良い。まだ端緒に着いたばかりだが、こういう林産品の活用を勝手ながら、「有機林業」運動と提唱している。

ほんコミ社を引退した05年から、前述のような、@農業・林業=第1次産業、A地域活性化、Bもうひとつの働き方の追求、という3題小話の組み合わせ、という方向性で急がず活動している。今のところメインの場になっているのは、以前にこの欄で書いたが、福島県南部、白河周辺の皆さんとだ。

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