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更新日:2009/10/13(火)

[政治]民主圧勝 総選挙意見特集:国家の右傾化 是正できるか?
──詩人・稲木豊實

総保守化議会の誕生

日の丸を背景に大活字の見出し「日本を壊すな」。何とこれが55年の保守合同以来、一時期を除いて長らく政権を担ってきた自民党の断末魔のアピールだ。8月30日の総選挙投票日、その当日の「朝日」、「日経」、等各紙掲載のこの広告。「バラマキ政策で、子供たちにツケを残してはいけない」「偏った教育の日教組に、子供たちの将来を任せてはいけない」「特定の労働組合の思想に従う偏った政策を許してはいけない」―。なんだこれは。日教組は弾圧され、加入率は全国で28%、とても文科省の皇民化路線をくい止めることはできなかった。「特定の労組」とは連合かも知れないが、職を失った現在の労働者が連合をどれほど頼りにできるのか。道路、ダムで金を使い、官僚の天下り先に補助金注入を黙認してきたのはどこの政党か。この時代錯誤の広告を打った自民党の闇を思い、暗澹たる気分になった。当日までどこに投票するか迷っていた有権者は、冷笑とともに民主党に投じたであろう。結果、民主308、自民119議席。

しかし、これはすべて国民が民主党の政策案を支持したからではない。前回の小泉郵政選挙後の政権与党の国会運営(再議決)や、大きく右へ舵を切った教育・安保政策、労働者の所得を収奪し、その就業さえも不安定にさせた経済・労働行政に対する怒りの結果で、言わば敵失による大勝だったのである。

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