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更新日:2009/09/07(月)

[コラム]大今歩/「地球温暖化対策」に原発促進?

エネルギー問題に「政権交代」は関係なし

衆議院が解散した。8月30日に実施される総選挙では民主党の優勢が伝えられ、政権交代の可能性が高いという。

それでは民主党が政権をとった場合、どのように社会が変わるのか、選挙の争点の一つである「温暖化対策」や「グリーンニューデール政策」について考えたい。

言うまでもなく自民党政府は「日本版グリーン・ニューディール政策」として太陽光・風力発電などに補助金をつぎ込むなど「追加経済対策」をすすめてきた。「地球温暖化」対策を名目にしているが、実際には資源・エネルギーの浪費でしかなく、不況にあえぐ家電メーカーなどを救済するのが真の目的なのだ。

風力発電建設による自然破壊

そのことに関連して『現代農業』の本年4月号に興味深い記事が載っていた。(要約)

「ここ和歌山県有田地方では山に次々と風力発電用の大きな風車が建てられています(すでに十数基が稼働中)。風車を山頂に建てるには資材を運ぶためにまず、木々を切り倒し、山を削り、道路をつけます。水源となる山頂を破壊するなど愚の骨頂。環境のために環境破壊が繰り広げられています(和歌山県有田地方のミカン農家)」。

大阪の「箕面の滝」が道路のトンネル工事のため谷川の水量が激減して、今ではポンプで水をくみ上げて滝の水を確保していることからも、山を壊すと水源が枯渇する危険性があることは明らかである。

一方で、風力発電の設備は結局石油や電力によって作られるものであり、発電単価が高くて全く採算に合わない。本当に風力発電をすすめることは「愚の骨頂」なのである。
〈太陽光・風力発電は原発の隠れ蓑〉

にも関わらず電力会社が風力や太陽光の余剰電力を割高価格で買い取るのは「原子力発電は、太陽光発電や風力発電と同じように炭酸ガスを出しません」とCMで繰り返すように原発を推進する隠れ蓑にするためである。原発を太陽光や風力と同列に並べることにより、大事故や放射能汚染、廃炉処理など危険で問題山積の原発に対する批判をかわしつつ、「地球温暖化」対策という新たな装いのもとに推進することにねらいがある。

民主党も太陽光・風力発電・原発推進

ところが、民主党が制定を目指す「地球温暖化対策基本法案」は「新エネルギー等の利用促進」を掲げ、太陽光・風力などによって得られた電力を電力会社が「固定価格」で買い取る制度の創設を求めている。さらに同法案は、太陽光や風力等とともに原子力発電を含めて「革新的な技術開発」を促進するとしている。世界最大のシェアを誇る東芝などの原子力産業が「地球にやさしいエネルギー」と原発を海外に輸出するのを後押ししようというのである。

「地球温暖化対策」の見直しを求めよう

このように、政権交代を目指す民主党も実際には環境破壊やエネルギーの浪費でしかない風力や太陽光発電の推進を自民党以上に強く主張している。さらに、原子力発電を「革新的な技術」として促進しようとしている。

政権交代の選挙をうたいながら、環境、エネルギー問題について選択の余地がないことは大変残念なことである。政策の見直しを求めて働きかけていきたい。

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