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▲上:1月20日、就任式で宣誓するバラク・オバマ大統領。下:緊急財政援助への風刺画
更新日:2009/08/07(金)

[海外]アメリカ/大量失業の現実
──ノースキャロライナ州立大学ローリー校講師 植田恵子

フィーバーは冷め、足元の生活に火がつきはじめた

オバマが「米国初のアフリカ系大統領」に就任して6ヵ月になる。1月の就任式前後は「オバマ・フィーバー」で湧いた。

しかし現在、私の友人の間ではオバマのことはほとんど話題に上らない。約半年間の大きな変化は失業率の増加だ。私の住むノースキャロライナ州では、5月の失業率が11%を越えた。「不況知らず」と言われたITの町でも10%弱の高率だ。

何人かの友人もフルタイムから契約社員、そして失業の憂き目に遭っている。その友人は、6ヵ月の失業保険が切れるのに、再就職の見込みはない」と嘆いていた。

私の仕事先は州立大学だが、3月頃までは「予算4.5%カット」と言われ、それぞれの学部が対応策を練っていた。しかし6月始めに州政府からいきなり「15%のカットに対応するように」と言われ、どこの学部もパニック状態だ(予算の97%が人件費なので、解雇は避けられない状況だと予想される)。

会計年度がスタートする7月1日をもって解雇された人が私の友人も含めてかなりいる。しかも大学内では予算が豊かなはずの理科系の学部でさえ、そんな状況にある。

一般の人たちにとっては、オバマが中央で何をしているかより、自分たちの足元に失業という現実の火がついた切迫感がある。

教員不足に追い討ちをかける財政赤字

ノースキャロライナ州予算は、不況で15億ドルの赤字となった。議会では共和党と民主党の間でカットや税増収をめぐって意見が割れ、今年度の予算がまだ立っていない。この減額予算の影響で、すでに教員の人数カットが打ち出され、小中高では大幅に教員数削減が実施された。

ノースキャロライナの教員不足は以前から頭痛の種だ。新学期直前の8月、「何百人という教員数が確保できていない」というニュースは毎年恒例のことだ。仕事がきつく、安月給のため誰も教師になりたがらない。

英語圏の豪州・英国などからわざわざ教師を雇うことはしょっちゅうだ。教員不足を解決するために、「大学卒業後に5年間教師を勤めれば、大学の学費が免除になる」制度があるが、現在では教員数削減で就職先がなくなり、その恩恵を受けられない学生たちが学費の支払で苦しんでいると聞く。また、今年度から1クラスの人数を25〜30人まで引き上げるようだ。

このように州の予算で賄われていた経済部門が崩壊し、州民の生活に支障が出始めている。今後の対策として検討中なのは、消費税の1%アップ(現在7.85%)、酒税・タバコ税・ソーダ税アップや、個人収入50万ドル(4600万円)、夫婦100万ドル(9200万円)以上の収入がある世帯の税率アップなどだ。

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