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更新日:2009/06/24(水)

[コラム] 玉山ともよ/ロスアラモス研究所に見る核開発の真相

ロスアラモス国立研究所とは

4月にロスアラモス国立研究所(ニューメキシコ州)に行ってきた。ここは有名な広島・長崎に投下された原爆が作られたマンハッタン計画の本拠地。現在でも核兵器開発を行っている。年間予算は約22億ドル(=約2100億円)。そのうちの56%、半分強が依然として核兵器開発に当てられている。近年の経済不況によって核兵器開発予算が6%減らされたらしいが、それでも1000億円以上。この施設はエネルギー省の管轄であり、国益にかなうとされる科学の基礎研究を主に行っているが、やはり兵器開発が科学の発展の原動力となっていることは否めない。

ロスアラモス市は、切り立った断崖を切り開いた、森林に囲まれた城塞都市のようなもので、サンタフェから約1時間、見晴らしのいい崖を上りきった場所に作られていた。もともと大変辺鄙なところで、原爆開発施設は地図にも出されない国家機密であった。また近隣にネイティブアメリカンの遺跡や保留地が多数存在し、彼らの土地を奪って建設されたことが容易に想像される。

この施設に入るまでが大変だった。外国人は施設見学に当たって、様々なセキュリティーチェックを受ける。事前にパスポートからビザなど、全ての書類をパスした後に、施設見学ツアーに参加するためだけにわざわざ写真入りのバッジを作る必要があり、指紋も取られた。

私個人だけではとても施設に入ることはできなかったが、私が受給しているフルブライト奨学金のニューメキシコ地区の企画で中に入れた。フルブライトOBにロスアラモス研究所で働いていた人がいて、そのコネクションでツアーが実現したらしい。

放射能に汚染された研究所周辺

私には11ヵ月になる赤ん坊がおり、母乳をやっているせいで普段全く離れたことがなかったのだが、研究所内は18歳未満は立ち入り禁止となっており、上の2人の子ども達と一緒に置いていかざるをえなかった。

「ということは、それだけ被曝するってことなのか?」と思っていたら、館内で働く人は皆、被曝線量を測るバッジのようなものを付けており、常に人体への影響には気をつけているという。参加者の中でこの点について質問した人がいるが、答えは「この標高の高さなら、自然界から受ける放射線と変わりませんよ」とのこと。こちらが気抜けするくらい、「(測っているから)身体に影響ない」と思っている人たちばかりだった。

周りを見渡すと、最先端のテクノロジーを扱うビルがあるかと思えば、40〜50年代の古ぼけたビルが残っている個所もあった。そこはあまりに放射能に汚染されすぎており、国の特別予算で浄化される場所(スーパーファンド・サイト)に指定されているという。

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