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更新日:2009/02/07(土)

[海外] オランダ/がんばるスピリット
──ユトレヒト大学研究員 小淵麻菜

「頑張っても無駄な社会」を越えるために

2009年の幕開けも、オランダでは例年同様、花火アワーと共にやってきた。毎年大晦日の深夜12時、子どもも大人も家の前で花火を始め、「オランダ国民が総参加?」と思う程の、国中の花火騒ぎと相成る。大量のクラッカーや大小様々な打ち上げ花火。これがオランダ中の町や村の地上と上空に舞う。

私は天窓から身を乗り出し、その美しい光の炸裂を見ながら、今年はとりわけ、それを打ち上げるたくさんの人々の、新年を祝うスピリットを、その新しいエネルギーを、感じとろうとしている自分を感じた。

今日本で解雇の悲嘆にくれている人々も、借金の瀬戸際に立たされている人々も、また路上で昨日と同じように夜を明かさなければならない人々も、どうか少しでもこのエネルギーが届き、励まされてほしいと願わずにはいられなかった。と同時に、「頑張らない」ことが普通になってしまっている今の日本も、今、頑張るスピリットを取り戻す時が来ているのではないかと、祈るような気持ちにならざるを得なかった。

頑張った日本人と社会の移り変わり

日本では昨今「頑張らない」ことが肯定的に受け止められるようになっているが、これはいつ頃からだろう。これは果たして「ゆとり」なのだろうか。

半世紀前、日本人は頑張りに頑張り抜いていた。かの時代の忙しい日本人は、貧乏から立ち直った戦後社会を、守りから攻めの体勢へと変え、より強くより高度な生産性に向けて必死だった。「社会の中で与えられた役割を懸命に果たす事」を個人の幸せと信じ、組織の中で勤めに没頭した。そして国力は増し、やがて世界経済の頂点に立つまでに至った。

しかしこの高度経済成長は、日本の社会そして都市家庭の姿を変えた。日本人は朝から晩まで働きつめ、経済的な潤いとともに社会は個人(利己)主義社会、競争社会の色をどんどん濃くしていった。家庭の中で父親は不在、母親は子どもの教育にエネルギーを注ぎ、子どもは塾通いなど勉強中心の生活。受験戦争、落ちこぼれ、登校拒否、校内暴力、いじめ等が深刻化し、絆や愛情の欠けた家庭や学校で、基本の対人関係も対自関係も学べなくなった。

そのような状況で教育界は、(軍国主義からの反省として端を発し、新たな問題で付加価値がついた)「ゆとり教育」案を、1980年代ごろから進めて来た。徐々に、詰め込みをやめ、学習量を減らしてきたのである。そして、「頑張れなければ頑張らなくてもいいよ」「勉強だけが大切なのではないよ」というメッセージを子どもに伝えて来たのだ。

しかし、そのメッセージを裏付ける、働きつめなくても当たり前の生活ができる社会のしくみを、果たして日本人は作ってきたのだろうか。そしてゆとり教育が本来意味した、生活や経験や人間関係を土台とした人間的な教育を、果たして子どもに与えてきたのだろうか。

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