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▲沖縄の米軍北部訓練場でのジャングル戦闘訓練を計画しているドイツ軍、イスラエル軍、オランダ軍と自衛隊の連絡官が、同訓練場を視察した(08年5月21日)
更新日:2008/08/26(火)

[情報] 沖縄現地報告/「もっと人がいたら止められる」
──大阪大・土井智義

辺野古:環境アセス本調査開始、高江:24時間座り込み

在沖米総領事のケビン・メアは、伊波洋一宜野湾市長の「普天間基地が米軍内部の安全基準(滑走路周辺に住宅が存在してはならないという規則)に違反している」との指摘に反論を展開した。「逆に滑走路の近くになぜ、宜野湾市が住宅建設を許しているのかという疑問がある」というのが彼の論理だ。

そもそも宜野湾住民の村落を破壊してつくり上げたのが普天間基地であり、そこに基地問題の起源があるはずなのだが、メア総領事はあくまでも基地被害を受ける住民たちに非があると強弁する。

もっともこの転倒した言い分は些か聞き飽きた感もある。普天間の爆音訴訟で日本政府が主張して退けられた「危険を承知で居住する住民が悪い」という論法と変わるところがない。彼の発言や日本政府の態度からは、米日両国による沖縄統治の非人道的な性格が如実に示されているだろう。こうした抑圧のなか、辺野古や高江の抵抗は続けられていることを忘れずにいたい。

辺野古「「環境アセス調査の今が本番」という危機感」

昨年の「事前調査」という国による脱法行為に続き、3月下旬から環境影響評価の「本調査」が始められている。4月からは辺野古沖に隣接するキャンプ・シュワブ陸上部で既存施設の解体・新兵舎の建設も開始された。

住民たちは、陸上での座り込みや、海上・海中での阻止行動で抵抗しているが、触れておかねばならないのは、海上保安庁黙認の下、作業者側による激しい暴力の横行である。

とりわけ5・6月のジュゴン生態調査のためのパッシヴ・ソナー設置作業において、海中で機材にしがみつくだけの市民に対して、バルブを閉める、タンクを揺さぶってBC(タンクを背中に固定する装置)から外すなどの暴力が振るわれた。海上では、音声などの記録上では救助しているように偽装するため、「大丈夫ですか」と声をかけながら首を絞めるなどの行為があった。暴力のあまりの酷さに、監視していた海上保安庁に訴えたが、無視された。現在、海上保安庁は日常的に阻止行動を妨害しているが、彼らがキャンプ・シュワブの浜から出航している事実は注目すべきだろう。たとえアメリカが引っ込んでいようとも、明確に米日協力体制のもと新基地建設が進められていることを確証するからである。

7月現在、阻止行動が継続していることに変わりはないが、人命さえ奪われかねないために、海中には入らず暴力を受けにくい抵抗が試みられている。海上に出ている人からは、「もっと人がいたら止められる」「埋め立て工事ではなく、環境アセスという今こそ本番だ」という悲痛な呼びかけがなされている。彼女の叫びを聞き届けた私たちは、各自できることをもう一度見直すことが求められている。

非暴力直接行動以外にも多様な闘いが展開されている。たとえば国が調査結果をデッチ上げないように、「北限のジュゴンを見守る会」などによる対抗的環境調査がその一つであり、音楽ライブや「海の幸を食べる会」などを実施して、より多くの人に足を運んでもらう雰囲気作りなども重要な抵抗の一つだ。

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