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特就でいきいきと働く労働者。アルミ缶回収などのわずかな日銭で生計を立てている野宿者にとって、特就は命の綱だ。
更新日:2006/05/10(水)

[社会] 野宿者へ「身元証明」の厳格化?!
──釜ヶ崎パトロールの会 金津まさのり

はじめに

年度替わりは、引っ越しのシーズンだ。いちどでも経験された方なら、骨の折れる荷造り・荷ほどきのほかに、郵便局の住所変更や役所での住民登録、電気・電話・ガスの申込みなどさまざまな手続きの煩雑さをご存じだろう。

野宿者は、人生のどこかでこうした「住所から住所へ」というサイクルから切断された人々だ。家賃が払えなくてアパートを追い出された人、住み込みで働いていて、首を切られると同時に住む場所をなくした人、家族と住んでいたが何らかの理由で帰れなくなった人など、さまざまな姿がそこにはある。

この季節は、「高齢者特別就労対策事業(特就)」の更新・新規登録の時期でもある。特就は日雇・野宿労働者の反失業のたたかいによって一一年前に勝ち取られた制度で、五五歳以上なら釜ヶ崎のセンターで登録でき、一月に三回ほど輪番で軽作業の仕事が回ってくる。

この、年に一度の新規登録の時期に、私たちはパトロールなどで「一緒に登録に行こう」と仲間に声をかける。ひとりでも多くが登録し、特就の存続・拡大の必要性を明らかにしていこうと団結を呼びかけるのだ。その際、「住所や身元保証がない」ことが問題になってくることがある。行政が「予算不足」を理由に特就の縮小・廃止を目論んでいることもあり、「五五歳以上」という年齢確認の作業が年々厳格化しているためだ。

身許を証明するものがない!

四月のある日、登録行動に参加するため集まった仲間のうち、Aさんは「身許を証明するものがない」状態だった。

Aさんは当日登録することをあきらめ、住民票の写しか戸籍抄本を取り寄せ、次の週の登録日に申し込もうということになった(取り寄せには、釜ヶ崎の別の支援団体に協力していただいている)。しかし、ここで問題が発生した。九州のふるさとを出てから長年各地の飯場を転々としてきたAさんは、どこにいま住民票があるのかを覚えていなかったのだ。本籍地についても「細かい番地がわからんなぁ…」。なんとか、大まかなところまで思い出し、役所に調べてもらった。

Bさんは生年月日が書いてある病院の診察券を年齢確認のために提出したのだが、センターの登録窓口で「生活保護で受診したのだからダメ」と却下されてしまった。たしかに、生活保護の受給には最終住所地や本籍の確認などは絶対必須の要件とはされていない。Bさんも野宿しながら生活保護扱いで病院に通っていたのだった。しかし、一方の窓口が認めたのに、他方でははねられるというのは矛盾にしか思えない。何より、昨年まで診察券でも認められていたのに・・・。仕方なく、Bさんも住民票の写しを取り寄せることになった。

住民登録などの制度から排除されている野宿者に対し、厳格な身元証明を求めるのは矛盾だ。かつて八〇年代に白手帳(日雇雇用保険手帳。印紙を所定数貼ればアブレ(失業)手当を一定期間受給することができる)の支給認定への締め付けが行われた際、日雇労働者に住民票の提出を義務付け(ドヤでは住民票が取れない)、結果として白手帳の所持者が激減した。

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