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更新日:2006/04/22(土)

[社会] 狂牛病の原因と解決方法
──新庄水田トラスト 田中正治

自然循環に沿った畜産システムを

羊の風土病的疾患であったスクレイピーは、一八世紀、資本主義の発祥地英国から世界へと伝播した。羊のスクレイピーが種の壁に守られているはずの牛に感染( 海綿状脳症・狂牛病)した理由は、感染した羊の脳、骨髄、内臓、神経などを加工した動物性蛋白飼料を、草食動物である牛に食べさせるという異常行為の結果、自然界の捕食関係において超えられない種の壁を人間自身が破ったところに、その原因を求めることができよう。

なぜ人間は、草食動物・牛に共食いさせるのだろうか?牛を太らせて、牛乳の生産性を上げ、より多くの利潤を得るためだ。そこでは、牛は生命体ではなく肉の塊であり、牛乳製造機にすぎない。人間好みの乳脂率の高い牛乳を搾乳するために、牛の体格を大きくする濃厚飼料とレンダリング工場(動物脂肪を煮すます精製工場)で作られた蛋白質が投与される。不自然な環境による病気対策として抗生物質が常時投与される。抗生物質耐性菌の反逆は必至だろう。資本制畜産業は、工場的・化学的・非自然的畜産業を必然化させたのだ。  では解決方法は?狂牛病の原因が、人間の資本制的・化学工場的畜産の価値観とそのシステムだとしたら、それに手をかければいいということになる。

まず、巨大資本と国家がバックアップする市場経済全面依存型の畜産システムに対抗する価値観とシステム形成が重要だ。有機畜産=自然生体循環を生かした畜産に価値をおくこと、自然―土地―動物―人間の物質循環の流れが、人間内部の物質循環を規定するという認識が重要だろう。そうすれば、そのような自然循環にできるだけ沿った畜産技術と生産システム、流通システムの形成が問われることになる。

有機的な家畜飼養の基本は、土地・植物・家畜のできるだけ調和の取れた循環を発展させること。そして家畜の生理的・行動学的要求を尊重することだ。それは有機栽培された良質な飼料、適切な飼養密度、行動学的要求に応じた動物の飼養体系、ストレスを最小限に押さえ動物の健康、疾病に対する化学的動物用医薬品─抗生物質や牛成長ホルモン、レンダリング人工的飼料を避ける管理方法を組み合わせることによって達成されるだろう。

そうした有機的生産方法・管理方法に加えて、流通形態が問題だ。一般的市場での流通に依存する限り、コストと手間がかかる有機的飼養は極めて困難だと思われる。一般市場とは別の流通形態が不可欠だろう。産消提携といわれる生産者と消費者の提携ー共通の価値・意識と顔の見える関係、契約的生産と消費、相互信頼の関係の形成が必要となる。有機農業運動がこの三〇年間築き上げてきた道だ。

社会的運動、アソシエーションムーブメントとしての有機畜産運動だ。このような価値観とシステムの形成によって、市場競争原理・利潤絶対主義から必然化される効率主義、生産性向上への脅迫観念、動物生理の無視(抗生物質投与、動物性蛋白投与、成長ホルモン投与)、輸入飼料依存から脱出することができるのではないだろうか。

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