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更新日:2005/08/17(水)

[コラム] 扶桑社教科書採択 抑鬱の生、忍従の性に向けた第一歩
──深見史

「戦後民主教育」の中での抑圧

高校時代、私には毎週一回「パン販売」の仕事が課せられていた。弁当を持って来ていない生徒のために、業者がパンを売りに来る。その手伝いに、毎日女生徒数人が駆り出された。パン売り当番の日は、女生徒たちは弁当を食べる時間がなかった。

私たちはパン売りが好きだから、生徒の世話をするのが好きだから、食べ盛りの昼食を犠牲にしていたのではない。

当時、高校の家庭科は女子必修科目であり、その家庭科を履修するすべての女子高校生は「家庭クラブ」という組織に自動的に加入することになっていた。「家庭クラブ」は現在も存在する組織で、「家庭科での学習を生かして、家庭や地域の人々の生活を改善する活動」を行うことになっている。パン売りはその「活動」の一環だった。数少ない女生徒の中から担当を決めるのに、私たちはいやいやながらじゃんけんを繰り返し、不運にも私はその勝負に負けてしまったのだ。

当番の日は、「弁当を食べる時間がないから」と弁当を持って行かなかった。この奉仕活動について男子生徒たちからコメントを聞いたことはない。彼らが体育の授業で「格技」をやっている間、私たちは料理や裁縫や掃除の「授業」を受け、奉仕活動に従事した。

私は「家庭科」を憎み呪った。奉仕する側と奉仕される側をはっきりと性で区別する学校教育で、女と男が対等な人間関係を作ることができるのだろうか、などと考えたわけではもちろんない。共学の県立校で、女ゆえに昼飯抜きになることが無性に腹立たしかったのだ。戦後二十年、「戦後民主教育」の時代だった。

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