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阿倍晋三の胸中に、北朝鮮の飢餓難民や決死の覚悟で脱北を敢行する難民の姿が去来することはないのだろう。


<脱北者の背景と推移>
かつて北朝鮮を脱出して韓国に亡命してくる者は、政治的な理由が多かった。しかし1995年、北朝鮮で大水害が発生して以来、深刻な食糧難となり徐々に亡命者が増え始め、2002年には遂に1000人を超えた。
更新日:2005/02/18(金)

[政治] 脱北者を利用する政治屋安倍晋三と闇社会

はじめに

拉致問題「解決」を口実に経済制裁論が社会を覆っている。しかし、自らの強制連行という歴史事実を棚上げした制裁論は、国際社会では説得力をもたないばかりか、拉致問題解決からも遠ざかる。日米政府にとって「拉致問題」は、政策カードの一枚に過ぎないのだ。北朝鮮体制崩壊を謀る米・日政府は、脱北者を利用した揺さぶりをかけているが、これをビジネスとして金儲けの道具にしているという当事者の証言が韓国の雑誌「マル」に掲載された。この証言を元に、「脱北者」に群がり利用する政治屋と闇社会をレポートする。(編集部)

驚愕!脱北ビジネス ここは脱北者売買の巣窟だった

「ここは、強盗たちの巣窟だった!彼らは大儲けするため、私たちを太陽の光も入らなくて、窓も遮られたアパートに閉じ込めた。この中に入ったら、外にも出られず、大声も出せない。また強盗たちの会話を聞いたら暴行を受ける。まさに鉄条網がない監獄だった。」

昨年九月に、カナダ大使館に逃げ込んだ脱北者四四名と一五日間生活し、事件直前に脱出したイ・クィオク氏(仮名・三五)の証言だ。

彼女は、北朝鮮で「脱北者募集」という闇広告の勧誘で、他の脱北者三名と共に北京に行ったという。しかし、「北朝鮮と中国の国境に到着しさえすれば、あとは飛行機で安全に韓国に入国できる」というこの闇広告に対しては半信半疑でもあった。彼女は以前にも二回ほど韓国入国を試みたが、北朝鮮に強制送還された経験があったからである。このあまりに悲惨な経験のため迷ったのだが、韓国ブローカーの誘惑を振り切れなかったという。

イ氏と北京まで一緒に来た男性は、病気を持っているという理由で脱北を拒絶された。イ氏はこのような非人道的な行為を見てこの脱北ブローカーの人権感覚に対し、強い疑心感を持ち始めたのである。

「脱北者募集」の広告主である韓国人ブローカーは、イ氏を北京駅で出迎え、北京市内のはずれにあるアパートに連れて行った。中に入ると他の脱北者が二〇名程もいた。この韓国人ブローカーは、イ氏に「ここに入った以上、出ることはできないぞ!」と脅かした。「ここから逃亡すれば、さらにひどい事が待ち構えている」と脅迫し、このアジトの秘密をばらすようなことをすれば、「北朝鮮にいる家族に危害を加える」「中国の公安に引渡し、監獄に入れられ、一年くらいは泣き叫ぶ生活を送るだろう」と脅したともいう。

脱北費用は600万ウォン(60万円)

脱北者たちは、北京で「脱北者募集」ブローカーに紹介料として一〇〇万ウォン(約一〇万円)、次に北京まで出迎えに来たブローカーに五〇〇万ウォン(五〇万円)を渡す。締めて六〇〇万ウォン(六〇万円)だ。また、脱北者たちは、北京で待機中には、脱北者女性や中国人、中国系朝鮮族などと同居しながら、遊戯施設とか食堂で働かされる。ここにくる脱北者たちは、一〇〇〇ウォン(約一〇〇円)くらいの所持金しか持っておらず、全てブローカーに取られるのである。ブローカーの生活費は、脱北者のポケットにある金で十分なのだ。

こうした脱北ブローカーの存在と暗躍は、この一部が表沙汰にもなっている。ソウル地検外事部は昨年五月、北朝鮮を脱出した住民に偽造旅券を用意し、韓国に組織的に約六〇人を密入国させ約六億ウォン(約六〇〇〇万円)を稼いでいた組織を摘発した。一味は韓国人旅券を一冊、三〇万ウォン(約三万円)から五〇万ウォンで購入。中国などにいる北朝鮮脱出者の写真を張って使わせ、韓国に入国した際に「脱北者」と自ら申告させる方法で、二〇〇〇年七月から〇二年五月までに約六〇人を韓国に密入国させていたという。

一人当たり一〇〇〇万ウォン(約一〇〇万円)を払わせ計六億ウォンを稼いだが、金のない脱北者に対しては、韓国政府が出している一世帯当たり三七〇〇万ウォンの定着資金から、後で一〇〇〇万ウォンをむしり取っていた。

売りとばされる脱北女性たち

脱北者ブローカー、ジョン・キルス氏(仮名・二四)は、ヨンギルに観光に来た韓国人のお客に脱北女性たちを紹介して、紹介料もたっぷり貰っていたと語った。「韓国人は、うわべは紳士ですが、食事をして、カラオケで度が過ぎ、遊びがエスカレートするとSEXだけの女性を要求してくる。特に脱北女性を要求してくる」。ジョン氏は言う。「『何が南北統一しなければならないって‥』そして、金を貰う脱北女性たちも、韓国人を紹介してもらえば喜びます。チップがたくさん貰えるからね」

背後で蠢く『NGO、宣教団体、情報当局』

先のブローカーであるジョン氏は毎日、インターネットカフェに通っていた。韓国での脱北者の消息を把握するためだ。彼が一番多く見るサイトは、韓国の宣教団体が運営する「北朝鮮の消息」だ。彼は「脱北者募集」のブローカーとメールを通じて状況を把握し、指示を受けていた。むしろ宣教団体の全てが亡命を企画している訳ではない。一部のNGO、宣教団がこれに深く関与しているのだ。

これらの団体の背後には、韓国の情報当局が間接的に介入しているという証言もある。脱北者を通じて、北朝鮮当局の文書を抜き取ってくるように指示したり、主要な人物を亡命企画させたりという証言が多数ある。これらは、国政院、警察、機務所、情報社など公式な部署ではなく謎に包まれている。

実際に情報当局の一人であるパク・アム氏が中国、ヨンギルにあるトゥレ村で宣教師として偽装活動をしたが、発覚し追放されたこともあった。また、軍情報機関のイム・アム二佐がある北朝鮮人を利用して政府文書を抜き取ってこようとして発覚したこともあった。これに関与した北朝鮮の人物は死刑となり、アム氏と他一名は現在、監獄に監禁されている。、この事件は、北朝鮮社会では、内々に知られているのである。

激増する脱北者と韓国社会

脱北者を利用する政治屋

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