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更新日:2004/05/18(火)

[社会] 「食肉界のドン」浅田逮捕は、小泉純一郎による野中広務追撃戦だ

税金に群がる食肉利権集団

「食肉界のドン」=浅田満・ハンナングループによるBSEに関連した「牛肉在庫緊急保管対策事業」を悪用した税金かすめ取り事件が、ようやく明らかにされつつある。弊紙が〇一年一一月一五日号で指摘した構図どおりの捜査の展開で、その意味で大阪府警は、遅れに遅れたが「よく頑張っている」。

ここで、ポイントを整理しておくと、@全頭検査開始(〇一年一〇月)以前に解体・保管された牛肉について、全量を税金で買い上げる「市場隔離牛肉緊急処分事業」は、元衆院議員・鈴木ムネオら農林族議員の強烈な圧力によって決められた、Aハンナングループ総帥=浅田満は、「食肉界のドン」と言われ、政界・官界はむろんウラ世界にも強力なコネクションを持ち、この制度の実施を働きかけ、輸入牛肉を国産と偽って在庫をかさ上げしたうえで、「大阪同和食肉」(会長=浅田満)・「府肉連」(副会長=浅田満)を合わせて一七一八dを国に買い取らせ、三三億三千万円の助成金をかすめ取った、B雪印食品・日本ハムによる偽装牛肉事件で、改めてこの買い取り制度の杜撰さが世論の批判に晒され、保管牛肉の全箱検査が実施されることになったが、浅田満は、ハンナンの保管牛肉=二三〇dを検査実施直前の〇二年三月までに柏羽藤クリーンセンター(柏原市・羽曳野市・藤井寺市の三市が共同で出資・設立。浅田満は羽曳野市在住で、羽曳野市長は浅田満の子分格)で焼却し、証拠隠滅を行った、というもの。

そもそもBSEは、農水省の大失策によって発生したという点は、忘れてはならない。EU委員会調査で日本が四段階中二番目に危険と評価され、農水省自身も日本でBSE発生は確実と認識していたにもかかわらず、何の対策もとらなかった。その後も、農水省の対面保持のために対策が後手後手にまわり、そこに農水族議員に付け入る隙を与えたのである。

一方浅田満を筆頭とする食肉業界は、BSE騒動で売れなくなった牛肉の処分に困り、業績悪化を税金で穴埋めさせる手段を考案し、鈴木ムネオら農水族議員を使って強引に先の制度を作り上げ、これを輸入牛肉でかさ上げして税金をまきあげたのである。

浅田満という男

一言で浅田満を表すなら、「同和と食肉、二つの行政の不備をうまく食い、途方もなく肥え太ったゴッドファーザー」だ。浅田満の錬金術は、いかに公的な補助金や優先枠を食い、納めるべき税金を逃れるかにあったといえる。

浅田満が実質的に率いる企業群は、食肉からレストラン、建設、不動産、ゴルフ場、金融、美術品販売、清掃、廃棄物処理など、六十社を越えると推計されている。一二〇〇坪の大豪邸に住み、国会議員から山口組五代目まで親交を持ち、人気プロ野球選手、相撲取り、芸能人のタニマチでもある。

浅田満が、「出世」の足がかりとしたのが、部落解放同盟大阪府連であり、府連の指導と協力の下に七〇年に設立された同和食肉であった。浅田満は、同和食肉専務理事に就任し、七六年に全国同食(全国同和食肉事業協同組合連合会。浅田満は専務理事)を作り上げている。こうして儲けた金で解放同盟大阪府連の上田卓三をはじめとする政治家にカネを環流させ、政治力を高めて税金をかすめ取るという「カネが必ず転がり込む仕組み」を作り上げ、拡大の基礎を築いていったのである。

野中広務 小泉純一郎

それにしても、なぜこの時期に浅田が逮捕されたのか?という疑問が残る。ハンナン・浅田の不正は、弊紙報道後一部新聞・週刊誌も追報道し、警察サイドでも浅田は捜査対象リストの上位にあった。つまり、BSE騒動当時には浅田をアゲられない理由があったのが、二年の歳月の間に情況が変化、浅田を守ってきた政治権力が弱くなり、今回の逮捕に至ったのである。

つまり、@食肉利権政治屋勢力= 野中広務とその切り込み隊長である鈴木ムネオ・加藤利勝らの衰退・没落、A政権中枢=小泉らによる党内批判派への追撃戦としての浅田逮捕劇なのである。

ここで野中広務の立場と役割は重要である。エピソードを紹介する。野中の出身地=京都府園部町々長は野中の実弟である野中一二三氏(七二)なのだが、従来徳島で行っていた肉骨粉焼却処理の一部をなぜか園部町内の廃棄物処理会社が請け負うこととなり、この廃棄物処理会社から、野中一二三町長関係会社に約四千万円のカネが流れている。

肉骨粉焼却処理はBSE対策の一環で、特別補助金が出るおいしい仕事だ。自民党幹事長として強い政治力を背景に補助金事業を地元企業におとし、町長選挙を控えた実弟にバックマージンを贈呈する。関西の食肉関連利権の総元締めで、農水省の政策を左右する野中広務ならこれくらいは朝飯前なのである。

しかし野中広務は引退。鈴木ムネオも逮捕され公判中。浅田を逮捕から守ってきた政治屋勢力の衰退は明らかなのである。

最後に、小泉と公明党の政治的思惑に踏み込んでこそ、今回の浅田逮捕劇の本質が明らかになる。野中は小泉の路線・政治手法にことごとく異を唱え、自民党内反小泉派の急先鋒であった。党内反主流派は常に小泉の首を狙っている。小泉にすれば、その牙城である橋本派を追撃し、少しでも自分の立場を安定させようとするのは当たり前。事情は小泉と一体化した公明党も同様だ。つまり小泉と警察に深く食い込んだ公明党は、党内批判派追撃戦として浅田を逮捕させたのである。

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