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編集一言2009年04月ログ

守銭奴と資本家の違い
 使用価値に対する人間の欲望が貨幣蓄蔵にむかう倒錯をマルクスは暴く。勤勉、節約に励む守銭奴は物質的には無欲なのだと。
 「貨幣蓄蔵者は価値の休みなき増殖を、貨幣を流通から救い出すことで実現しようとするが、資本家は貨幣をつねに新たな流通にゆだねることによって達成しようとする」守銭奴と資本家の違いはこの1点に他ならない。
 けれど、資本家の投資には常に「命がけの飛躍」がつきまとう。商品と貨幣の間には暗黒の絶壁が立ちはだかっているのだから。やはり跳ぶのは恐ろしい。決断は慎重となり、資本の回転はゆるやかにしか進まない。で、信用制度が生まれたそうな。
 最近の麻生を見ていると「権力蓄蔵者」と呼ぶのがピッタリだ。つまり、首相という権力の座を手放すことがいやなので、しがみつくばかり。恐ろしくて跳べない「守銭奴」。
 自らは、資本家の端くれだと自負しているようで、しきりに「矜持」などという似つかわしくない言葉を発しているのだけれど。
 国の政治のダイナミズムを、保身のみで逃げ回って、せき止めるような政治屋を総裁に選んだ自民党の末期症状は深刻だ。ズルズルと日本社会はドロ沼へと沈んでいく。信用制度が崩壊して、完全に失速した世界の資本主義システム同様に。
 明らかに、世界通貨制度が揺らいで、機能不全が生じている。その危機の中から、「カネ」につき動かされて来た世界を変革する道筋が見え始めているようだ。(M)
2009年04月22日更新
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『シリアの花嫁』
 『シリアの花嫁』という映画を見た。イスラエルとシリアの国境地帯、ゴラン高原の若い女性がシリアに嫁ぐ物語だが、もともとゴランはシリアのもの、イスラエルの占領地であるため、国境管理は国連が担っているが、一筋縄では通れない。
 国家の違い、民族の違い、男女の違い、いろんなものを乗り越えなくてはならない。イスラエルにもシリアにもある官僚主義。マッチョな男たちの自分勝手さ。政治のたてまえ。いろんなものが行く手に立ちふさがる。悩みながら主人公の若い女性は母親とともにのりこえていく。
 ガザをめぐるイスラエルとハマスの対立は激しさを増し、いずれも強硬派が世論の主流となっている。かつてみたイスラエルを舞台にした映画で、進歩的な欧米系ユダヤ人がどんどんイスラエルから脱出し、ロシア系やアフリカ系の貧困層のユダヤ人右翼が増大することをなげいたものがあった。いずれにもそれなりの『正義』があって、イスラエルの右傾化を示唆していた。
 この映画は、そうしたものを『乗り越える』可能性を、ユーモアをもって示してくれる。イスラエルとパレスチナの現状は絶望的だが、古い政治家でなく、若い新しい人びとに期待したい。憎しみの増大は何も解決しない。『怒り』はプラスに使われなければ破壊しかない。怒りをユーモアでつつみ、未来へ踏み出したいものだ。(A)
2009年04月12日更新
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