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編集一言2007年06月ログ

農業文明に依存せずして商工業は維持できない
 現在、工業と商業は世界を覆っているかにみえるが、実質的には農業文明に依存せずして一日たりとも商工業は維持できない。ここ200年のあいだ急速に工業が拡大し、外見上、工業文明は肥大化したが、早くも没落の局面に入っている。それは、工業が石油化学技術に依存し、地球環境破壊を招いた結果であり、「農業を支える」という本来の役割から逸脱したからだ。
 また100年の間に拡大を続けてきた商業にいたっては、その発達が農業を解体するという自己矛盾に陥っており、いつ破局しても不思議ではない時代となっている。世界市場が賭博化し、マネーがマネーを自己増殖する結果、価値の尺度となりえないからである。交換価値の基準を司ってきた商業が、本来の商業の役割を果たしていないのである。
 いま一度、本来の私たちの文明的基礎に足をつけて考えてみる時代が来ている。私たちの暮らしが自然循環と生命循環に依存していることを自覚し、人間の生活レベルにとって価値あるものを評価できる農的商業を取り戻さなければならない。さらにまっとうな生活価値から蓄積した資本を形成し、農業文明依存型の工業技術体系を再構成しなくてはならない。
 地域社会の長期ビジョンをどう描くか、そこに塹壕を掘る知恵が求められている。これが自然循環・生命循環にもとずく有機農業を本格的に提案するゆえんである。 (I)
2007年06月27日更新
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賑やかしい地球温暖化問題
 参院選挙向けの「口先発言」が目に付き始めた。安倍がテレビに出てくる度に、不愉快さの余りすぐチャンネルを変えてしまう習性が染み付いてしまったのだが、「美しい」「自然との共生」「里山再生」「生態系の保全」「環境にやさしい」、よくもこうまで全く思想のない言葉だけの羅列で人々を欺むくのかと思う。
 騙されるやつが悪い、とも言えるが、今の社会の大きな流れを見るならば、いかにまやかし・目くらましであるかは直にわかる事。「環境ビジネス」に続き、「自然との共生ビジネス」なんてくだらないものもその内もてはやされることだろう。
 問題を本質的に見るな、ほどほどで皮相的が一番よい、と奴等は言っているのである。本質的になろうとすればビジネス処ではない。社会を根っこからひっくり返さないとダメ、ということになる。支配は全面的である。抵抗は部分から始まる。部分から全体へと発展しない限り、抵抗に終わる。
 人々の生活の現場から絶えず生まれてくる、変革の思想の発露が「危険」な思想へと一人歩きしないうちに、その芽を摘み、ないしは取り込んで陳腐化させてしまうのが支配の強力な意志。最近の「賑やかしい地球温暖化問題」などはそんな脈絡の中で捉える事柄であって、誤解を覚悟で言えば、根本的な社会変革の課題とはなんの関わりのない事柄である。(S)
2007年06月22日更新
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高知県・東洋町長選挙の舞台裏
 核ゴミ処分場誘致を白紙撤回した高知県・東洋町長選挙のルポを掲載したが、熱い議論が今も続いている。町長がブログで「後援会とか支援者ではなく、連帯とか共同で付き合っていこうではありませんか」と呼びかけたことで議論の火に油を注いだ。「支援者・後援者はいらない」との表明と受け取った支援者・町民が激しく反論している。こうした議論がオープンに本音で交わされていること自体が、希望である。外部からではわからない事情もあるようだ。近く再取材を行う。(平野)
2007年06月20日更新
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半世紀に一度の激動期
 「安倍総理、日本国万歳」との松岡農相自殺の遺書はいったい何だろうか。お情け頂戴の不始末は、芝居のネタにもならない。敗戦後マッカーサーに「日本人は12歳」と言われて恥をかいたが、戦後60年が過ぎて果たして日本人は大人になったと言えるのであろうか。
 安倍政権は4月の統一地方選を何とか切り抜け、7月の参議院選を「改憲」「教育再生」で乗り切ろうとした矢先に「年金不支給」「農相自殺」のエラーで内閣支持率急落のピンチに直面している。
 どう考えても参議院選与党過半数確保は至難で、改憲戦略の見直しどころか、下手をすると政局の混迷から政権与党の解体・再編という事態にまで行きかねない。情勢が激動する時代に突入したとみるべきであろうか。
 こういう激動期は半世紀に一度あるかないかだが、問題はそういう情勢を切り開く運動主体とリーダーが生まれるかどうかがカギを握る。日本にもそういう時代がなかったとは言えない。明治維新は遠くなったが大正期の「米騒動」(1918年)や昭和期の「敗戦」(1945年)はこの時代にあたる。
 「米騒動」は大正デモクラシーを生み出し、「敗戦」は戦後民主主義を育成した。いずれも日帝軍国主義と米帝グローバリズムが踏み潰したが、人民はどっこい生きているのである。(F)
2007年06月19日更新
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「赤木論文」巡り加熱する議論
 『論座』二〇〇七年一月号に掲載された赤木智弘『「丸山眞男」をひっぱたきたい―三一才、フリーター。希望は、戦争。』が論議を呼んでいる。赤木さんは「誰もが平等に苦しみ続ける戦争を望む。フリーターのまま死ねば犬死にだが、戦争で死ねば、恩給と名誉をもらえる」と言う。二〇〇七年四月号には、佐高信、奥原紀晴、森達也、鎌田慧、福島みずほ、斎藤貴男ら、名だたる識者からの応答が掲載された。この応答を巡ってネット上で多くの若者が発言しているが、「自己責任論」の立場からの返答のほか、「まるで現在の「左翼なるもの」の限界と欠落を示す具体例の提示みたい」と、左翼知識人に対する「的はずれ」「断絶」といった批判で埋まっている。
 赤木さんは左翼知識人に対し、「もはや、年配左派と我々は同じ場所に生きていない」「私の人生を奪った「敵」」と断じ、目前の貧困に目を背けつつ海外の貧困を語るような空疎な「平和と平等の物語」について「責任を取れ」と主張している。二〇〇七年六月号に、赤木さんからの再応答が『論座』に掲載されている。
2007年06月17日更新
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「闘うメーデー」への原点回帰
 五月一日、大阪・中之島剣先公園(大阪市北区)で「第七八回中之島メーデー」が行われた。メインスローガンは「競争より共生の社会を!」。
 この日は朝からあいにくの雨となり、会場はぬかるみ状態。参加者の出足が心配されたが、開始時刻の一一時半過ぎには、雨の中をついて約一〇〇〇人の労働者が集まった。
 基調挨拶で川村賢一さん(連帯ユニオン近畿地方本部副執行委員長)は、「メーデーはアメリカの労働者が八時間労働制を勝ち取った闘いと団結の歴史だ」と前置きした上で、最近の労働者をめぐる状況として、@社会的格差の拡大、A労働の分野での民営化・規制緩和等、労働者の団結権の侵害、B連帯ユニオンへの四次にわたる弾圧や、反戦落書き・ビラまきへの弾圧など権力によるすさまじい弾圧、を指摘。「そういった情況の中で、安倍政権が狙っている憲法改悪は確かにピンチではあるけれども、反撃のチャンスでもある」とした。
 全体的に、「労働者の闘いの記念日」というメーデーの原点に戻った、という印象。教育基本法改悪や国民投票法案の衆院通過という、権力のやりたい放題の情況の中で、負けずに闘う労働者の姿が目立つものだった。
 連帯ユニオン関西生コン支部からの「闘いを切り開いていく真の解決は、大衆運動だ」とのアピールや、教育合同・新任者免職裁判、郵政ユニオン・ゆうメイト解雇争議など、不当解雇に負けずに闘っている当事者からのアピールは、静かな口調の中にも、元気さを感じさせるものだった。
 デモに移る頃には雨もほぼ上がり、連帯ユニオンを先頭にデモに出発した。大阪市役所前〜アメリカ総領事館前を通り西梅田公園までのコース。
 この日大阪では、連合のメーデーが大阪城公園(大阪市中央区)で、全労連のメーデーが扇町公園(同北区)でおこなわれ、それぞれ五万人、一万人の労働者が参加した。相変わらずの「分裂メーデー」ではあったが、いずれもワーキングプアや格差社会をテーマにするなど、闘うメーデーの原点回帰を思わせるものとなった。(編集部)
2007年06月06日更新
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バージニア工科大学銃乱射事件と『バベル』『ブラッド・ダイヤモンド』
 4月16日、アメリカのバージニア工科大学で、32人が殺される銃乱射事件がおきた。これに対し、銃規制派と反対派の対立が深まっているが、規制反対派が強いという。偶然かもしれないが、今上映中の映画『バベル』のテーマの一つは、「ライフル」だった。『ブラッド・ダイヤモンド』でも銃を与えられた少年兵の問題に多くの時間をさいている。
 毛沢東が「鉄砲から政権が生まれる」といったことをうけて、世界中で、武装闘争をめざした左翼がいた。「連合赤軍」は爆弾よりも銃にこだわったといわれる。
 最近、ペルー日本大使館人質事件をひきおこした「トゥパク・アマル革命運動」のリーダーが、「武装斗争を見直す」と発言した。チリで社会主義政権を右翼が軍部を動かして反革命クーデターをおこした時、「やっぱり武力は必要だ」という意見が出た。今南米各地に誕生している左翼政権が『選挙』で生まれたのを受けて、この見直し発言があることを考えると、選挙で左翼政権が生まれないのはなぜか、と考えてしまう。
 「自分が正しければ何をしても良い」と考える人たちが銃をもった時、人を「力でコントロール」することをあたりまえと思うのは、一種のファシズムではないのだろうか。自分の想いを「ことば」で伝えられないのを、「自分の力のなさ」と思うか、「相手の愚かさ」と思うか。『ブラッド・ダイヤモンド』の少年兵が、銃をもって別人となった時、父の呼びかけも無視する別人格になっていることは、「銃のもつ意味」を考えてみる必要があるだろう。(A)
2007年06月02日更新
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