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編集一言2006年07月ログ

パートや日雇いという雇用形態
 労働者総数の中で、非正規労働者の数がどんどん増えている。「フリーター」の増加が問題視され始めた。政府はフリーターを正社員にしようと動き始めた。ニートには働くことを教育しようとしている。
 フリーターやニートばっかりになったら税金がとれない。年金の源泉がなくなる。結婚しにくい。子どもができない、と政府は考えたのだろう。
 『ファストフードが世界を食いつくす』(草思社)によると、ファストフード業界の従業員の3分の2は10代だという。10代なら時給で安く使える。管理しやすい。マニュアルのある単純労働だから誰でもいい、という訳だ。正社員は管理職だけ。資本主義の労働者管理の極端な形、見本かもしれない。こうしてアメリカは大きく二極分解し、少数の富裕層と大多数の貧困層に分かれ、中間層がどんどん減っている。
 一方で10代の若者の多数は、「働く」ということに嫌気がさして、ギャングになり麻薬を扱うが、母子家庭や、精神障害によって福祉で食うかになるという。
 帝国主義本国で、「正社員」になるということは、少数の例を除いて、資本のために管理労働を担うこと、もっときつい言い方をすれば、搾取をいかにうまくやるかということかもしれない。パートや日雇いという雇用形態のまま、権利を拡大する方が人を搾取しない生き方のような気がしてきた。(A)
2006年07月26日更新
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マルクスの再考
 マルクスを再考する動きが、識者によって静かに進行している。私のような凡人にも、熱中した時代があり、難しすぎたこともあって長いこと遠ざかり忘れさっていたが、別の角度からいろいろ学ぶにつれて、また最近「マルクス」と出会うことになった。
 自然・農業という観点から資本主義の問題点を掘り下げていく作業は、すでに19世紀に行なわれていたこと、その成果は現在でも輝きを失っていないこと─などである。当時から150年以上が経過していても、資本主義的な仕組みが生み出す社会の骨格は余り変わっていない、ということなのだろう。
 資本主義を「人と人の関係」「人と社会の関係」だけでなく、「社会と自然」「人と自然の関係」においてもトータルに考えた思想家であったことを恥ずかしながら最近知った次第です。そういう意味では、社会を表わす新しい造語が作られ、何か新しい発見があるかのごとき装いは、むしろ本質から人々を遠ざける役割しか果たしていないのではないか!と思う昨今である。
 「マルクス嫌い」をたくさん作った日本のお粗末なマルクス学者等の責任はさておき、今マルクスの再考その成果の数々の著作を通して今の社会を捉え、変革の道筋を構想することは大いに意味ある事だと考える。(S)
2006年07月21日更新
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西成署暴力事件抗議弾圧、控訴審が結審 釜ヶ崎労働者をリンチした西成署こそ断罪されるべき
 六月一四日(水)、大阪高裁一〇〇一号法廷で西成署暴力事件抗議弾圧事件の控訴審が行われた。
 事の発端となっているのは、西成署の警察官が、釜ヶ崎の労働者二人を踏んだり、蹴ったりしたリンチ事件だ。二人から相談を受けた釜ヶ崎地域合同労組委員長・釜ヶ崎炊き出しの会代表の稲垣浩さんは、西成署前で抗議行動を行った。
 この抗議行動の最中に、稲垣さんは西成署前で妨害行為を繰り返していたMを見つけた。周囲の労働者にマイクで「追い出せ」と呼びかけたのだが、この発言が「氏名不詳の労働者と意思を通じてMに傷害を負わせた」=「傷害の共謀共同正犯」だとして逮捕・起訴されたのだった。
 一審判決(昨年一二月一五日)の有罪判決を跳ね返すべく、この日弁護側が稲垣さんにおこなった証人尋問のポイントは三つ。
 @稲垣さんは、妨害していたMを「寄ってたかって追い出すんや」と呼びかけた。しかし、その二時間前に稲垣さんは私服警官の姿を見つけて、同様に「追い出せ」と発言している。この発言も暴力的に追い出せ、という意味ではないのは、同じである。
 AMが暴行されている場面は、稲垣さんから見えていない。見えていない暴行は止めようがない。B労働者同士がケンカしている場面を目撃した稲垣さんはハッキリと制止している。その場面はビデオにもしっかり録画されている。
 控訴審は、この日の公判一回で結審となった。判決は九月六日(水)午前一〇時半〜大阪高裁一〇〇一号法廷でおこなわれる。
 最近の弾圧は、「資本・権力にとって目障りな運動はつぶす」というスタンスだ。事実上、「共謀罪」を先取りしている。反弾圧の協働を追求していこう。(編集部 小比類巻)
2006年07月11日更新
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家族農業解体の愚
 今年は梅の開花が遅れ、3月下旬に咲いていたから、やや早い桜と同じ時期に咲くという奇妙なことになった。この時期は気温が低く、その分桜は長持ちしたが、桜のあと、山を彩るはずのコブシの花が見あたらない。ここ関西一帯で咲いておらず、また、東北でも咲いていないと聞いた。宮沢賢治がコブシの咲かない年は、凶作だと書いている。夏の低温が心配される。
 こうした地球環境の不安定さに対処する国際条約を巡って主導権を握ろうとする勢力は、世界貿易体制で主導権を握っている勢力と同じ人々である。いま、WTOの関税引き下げ決着を前提に、大きな農業の再編が進行している。大規模化、法人化の流れは、300年続いた集落と家族農業というこの国の骨格を解体し、農村は市場経済の濁流に身を任せることになる。
 農業・農村の市場経済化を目指す勢力は、同時に環境領域にも手を打っている。これまで「農業構造改善」と称して農業最大の利権を握ってきた土地改良事業の勢力は、美土里ネットと称し、農地・水・環境向上対策によって利権を維持しようとしている。環境の仮面を被って既得権を守る運動では、バラマキ農政の延長であり、地域環境を守る農業を地域住民と共に育てることはできない。環境と農業を巡って、本物のレジスタンス勢力をつなぐ仕事が急がれる。(I)
2006年07月03日更新
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