人民新聞オンライン

タイトル 人民新聞ロゴ 最新版 1部150円 購読料半年間3,000円 郵便振替口座 00950-4-88555┃購読申込・問合せはこちらまで┃人民新聞社┃TEL (06) 6572-9440 FAX (06) 6572-9441┃Mailto:people@jimmin.com
HOME反貧困社会編集一言政治海外情報投書コラムサイトについてリンク過去記事

編集一言2005年09月ログ

汚い風呂・布団を強いられる拘置所生活●大阪拘置所 サガフィ・ハサン(イラン人)
 二〇〇二年一一月六日、約二〇人の警察がうちの家に海賊みたいに押し込んできました。警察は家の品物をいろいろ盗んでから、私を拘置所へ連れてきました。もうすぐ三年が経ちます。
 私は容疑の事件に全く関わっていないので、怒っています。弁護士と話を進めております。
 ここにいる私たちは、人間ですよ。歯の痛みを一ヵ月前から担当さんに訴えていますが、まだまだ待たなければなりません。今は夏ですが、このクーラーのないところ、お風呂に入れるのが週二回で、三日間も風呂へ行かなければ、病気になってしまわないでしょうか?全員、皮膚の病気です。それも伝染病。一回の風呂で四〇人入るから、汚すぎる。拘置所のこんなひどい実態を、どこに、誰に言ったらいいか分かりません……。
 布団は汗でびしょびしょで、臭い。助けて下さい。
2005年09月28日更新
▲最上部へ戻る
全教の全体集会
 大阪市中央体育館で、八月一八日に開催された全教の全体集会。
 二日前から体育館のある公園の出入り口は、「街灯の修理」を名目に鉄柵で二重に塞がれ、会場周辺には警察のカマボコ(警察車両)が五〜六台ほど止まり、防弾チョッキ姿の警官の一団や、ガードマンが一〇分おきに見回り、一〇メートルごとに見張りに立っているという物々しさ。まるで戒厳令でした。
 「こりゃ、やり過ぎ違うか?」と複雑な気持ちになったのでした。(小比類巻)
2005年09月23日更新
▲最上部へ戻る
小泉圧倒的支持とふりかけごはん
 お腹が減ったので“ふりかけごはん”を食べながら考えた。小泉が政権についてから、何となく社会の中に息苦しさが蔓延してきてどんどん暮らしにくさが増しているのに、どうして小泉と自民党の支持率が上がるのだろうか、ということ。どうして、こうなるのだろう。
 マスコミにやられているのかも知れない。アメリカでは、この種の調査ではマスコミの世論操作があるのは常識だから、誰も数字を信じていないという。アメリカの真似をする日本だから、実は数字は嘘っぱちかも知れない。
 小泉と自民党以外に入れるところが本当にない、ということかも知れない。これまで「革新勢力」と呼ばれた人たちの主張に、社会が変わっていく方向性が感じられないのは事実だ。かえって「大企業中心の政治が悪い」を連呼する共産党に目新しさを感じたりする。
 何だかんだいって、生活に困っている人は少ないということなのだろうか。「おもしろければ、どうなってもいいのよ」ということかも知れない。ということは、ふりかけごはんを食べているのは私ぐらいなのかも知れない。(K)
2005年09月16日更新
▲最上部へ戻る
図書館民営化 東京都で年300人がリストラ 中野区ではほとんどの図書館を民間に丸投げ
 図書館の民間委託や公設民営化が進み、他の民営化事業と同様の問題が噴出している。調査によると、民間委託に伴うリストラが急速に進行していることがわかった。
 図書館問題を専門に扱う雑誌、『ず・ぼん』(ポット社)一〇号によれば、東京都二三区で二〇〇四年までに図書館の民間委託を行っているのは一一区、東京都内一一四ヵ所の公共図書館のうち七一ヵ所にのぼる。
民間委託された図書館における二〇〇三年から二〇〇四年度の人員の推移を合計すると、三〇三人もの常勤、非常勤、臨時職員が削減されている。東京都の一一区のみ、それも民間委託された七〇程度の図書館での総計としては極めて大きい数字だ。失職した三〇〇人あまりの図書館員たちのいくばくかは、企業あるいはNPOに引き抜かれる形で生き残ったのではないかと考えられるが、確証はない。このデータから読み取れることは、一年間で三〇〇人もの人々が、「民間委託」により社会的保障を失ったということだ。
 中でも、最も過激にリストラを行ったのが中野区で、一年間の整理人員はなんと九〇人に及んだ。中央図書館を含む全ての図書館で人員整理を強行し、中央図書館を除く全ての図書館の人員を完全に馘首し、民間の派遣社員に業務を一任してしまった。ここまで来ると、「民間の活力導入」などといった生易しいものではなく、行政当局の責任回避、公共財の丸投げという色彩が強くなってくる。「図書館に営利性を」という言葉の裏にある、新しい搾取構造の誕生を予感せずにはいられない。
 驚くべきことに、この「中野区モデル」は図書館の現役司書らが参画するような専門誌でも、かなり好意的に受け取られているようだ。国家的な税制負担軽減という観点から、今後は窓口などの雑務だけではなく、中枢的な部分にまで踏み込んだ「民間委託」が全国で進んでいく可能性は極めて高い。
 「規制緩和」や「市民重視社会の到来」など、マスコミは美辞麗句でもって賞賛するだろうが、リストラされた図書館労働者や、日本や諸外国での民営化の実例から考えて金儲けのために市民サービスが売り渡されることの危険性は極めて高い。今後の動向に注意が必要だ。
2005年09月13日更新
▲最上部へ戻る
民営化解散 アメリカに尻尾振る小泉に政治的打撃
 「郵政民営化」は、独身首相小泉にとって「初恋の人」でした。それだけに、人一倍思い入れも強かったに違いありません。
 しかし、自民党内の「抵抗勢力」によって阻まれたため、彼は首相の専権である「国会解散権」行使に踏み切りました。
 全国あまねく、津々浦々に三七〇〇局のネットワークを持っている特定郵便局網は、それぞれの自民党議員にとって、「政治的生命線」でもあります。
 特定郵便局長は、自分の土地建物を局舎として提供し、国債・地方債を地元の有力者に購入してもらっています。その対価として、それぞれの特定郵便局は、地元出身政治家の集票組織の要ともなっています。 
 小泉は「古い自民党をぶっこわす」と、タンカを切っていますが、「理想主義者」の彼にとって、この仕組みが気に入りません。
 それで彼は、自民党の古い体質改善の決め手として、「郵政民営化」を打ち出します。その結果が、今回の「国会解散・総選挙」でした。
 彼に対する不信任案可決によって、「都会育ち」の小泉は、自民党保守勢力が持っている「根っ子」の強さ・しぶとさを思い知ったことでしょう。
 他方、郵貯・簡保資金四八〇兆円は、今行き場を失っています。以前は道路公団など特殊法人へ流れていましたが、「汚職」の巣窟として世論から批判され、特殊法人改革が進行中です。
 生保事業に進出を望んでいる米国も、小泉政権に郵貯・簡保の民営化を求めてきました。この要求に応えたのが小泉政権です。
 「郵政民営化」の敗北で、小泉政権は大きな政治的打撃を受けました。
 「郵政民営化」についての国会における議論も一面的で貧困でした。国民にとって関りの深い問題でありながら、国会での議論は「政争の具」として取り上げられたに過ぎません。
 正面から議論をして欲しかった、と思っています。(渡辺雄三)
2005年09月11日更新
▲最上部へ戻る
争点は、郵政ではなく、政権選択でもなく、「強きを助け弱きを挫く『改革』」だ
 今回の選挙は、戦後最悪の絶望的な選挙である。ほとんどの選挙区の有権者にとっては選択肢が事実上全くない。自民か、元自民か、民主か─これでは選択しようもない。マスコミは、自民党のコップの中の争いを針小棒大に報道しているが、全小選挙区=300の中で自民分裂は30足らず。残る270選挙区のうち大半は、自民・民主・共産の三択選挙となっている。
 「自・民対決=政権選択」という争点だが、保守二大政党制が財界の政治戦略であることは周知の事実。自民党主導であろうと民主党主導であろうと、どちらに転んでも大差ない保守二大政党制を実現し、少数者は治安・監視強化と国家主義的道徳教育で封殺という方向へ進むのだ。
 さらに民主党は、自民党内戦中世代護憲派のような「ハト派」が存在感を失い、資本の論理をドライに貫徹する戦後世代が主流を占めている上、小沢一郎のような超タカ派を擁する。
 我々にとってこの選挙は最悪だが、今回の解散=総選挙劇は、支配体制全般の弱さの表れである。小泉は、「自民党をぶっ壊す」といいながら、党内民主主義を破壊して絶対的な総裁・首相権限を獲得しようとしている。
 所得格差の拡大・失業率の高止まり・不安定雇用の全般化によって社会の不安定化要因は、増大の一途だ。農産物輸入自由化によって農民層が自民党支持をやめ、郵政民営化で地方・郡部の支持が去り、自民党支持者は減り続ける。それでもブッシュ政権の要求に従い続けるには強権的政権成立しかない。これが小泉の結論だ。
 物理的な強制力の行使・合意ではなく命令という政治手法に移行せざるを得ないところまで自民党は追い詰められている。
 こんな政治状況で、心から支持できる候補者なんて存在しない。大阪10区・辻元清美氏のような反戦市民派的政治姿勢を持った候補を全力で当選させよう。いない場合は、社・共候補へ。それもなければ、小泉・与党批判票を!(編集部)
2005年09月09日更新
▲最上部へ戻る
生活保護制度の谷間で暗躍 野宿者を“食い物”にするボッタクリ福祉 中桐康介(長居公園仲間の会)
 野宿者への生活保護適用をめぐっては、長年にわたる野宿当事者のたたかいを経て近年、申請・適用が急速に拡大する流れとなった。その一方で各自治体では職員・ケースワーカーが不足しているため対応が遅れ、また「適正受給」の名の下に申請却下・保護廃止を促進する反動の流れもあって、野宿者福祉の現場はまだまだ混乱した状況にある。

 悪徳グループが生活保護制度を悪用してピンハネなどにより野宿者を食い物にしている問題は、ここ数年来指摘されてきた。グループは公園のテントやベンチ・軒下などで眠る野宿者に「生活保護受けられるで」「ボランティアでサポートしますよ」と近寄ってくる。そして彼らの斡旋するアパートや施設に住まわせ、保護の申請をして適用を受けられるようになると、「手数料」「会費」としてべらぼうな金銭を請求してくる。一日二食の弁当を宅配し、一ヶ月に六万円の弁当代を請求する手口もある。しかもコンビニ弁当よりも貧弱な弁当だ。月初めの保護費支給日には、福祉事務所の玄関口で白昼堂々、グループの回収人が労働者(受給者)から現金を巻き上げている。生活保護として月々八万円ほどの支給を受けても、手元には二万円ほどしか残らない。たばこ代にも事欠くという場合が多く見られるのである。ある被害者は「地獄や」「支給日来ても何も楽しいことあらへん」「保護打ち切りになってもええから逃げたい」との声を上げている。

 「雨風をしのげるなら野宿よりマシ」と、引っかかってしまう野宿者も少なくない。ボッタクリの被害に遭っていることに気づかない場合も多い。福祉に関する情報や知識に乏しいことが、悪徳グループに足元をすくわれる原因になっている。

 問題が指摘されていながらも、違法性の確認の困難さなどにより規制・摘発の決め手を欠き、事実上、野放し状態となっている。「手数料」や「弁当代」による搾取も、お役所にとっては「任意の契約」とみなされているからだ。そのためこうしたグループが雨後の筍のように乱立して、全国各地で刈り込みが続いている。ある福祉事務所職員も、「本来の生活保護の目的を果たせていないケースもある」と問題を認めている。

 また、生活保護受給後の当事者の生活において、アルコール依存症の問題や福祉行政からやみくもな就労指導を受ける問題、高齢者を狙った詐欺や孤独死の問題などが指摘され、さまざまな支援団体も積極的に取り組んでいるところであるが、グループによる刈り込みで、支援団体や野宿者仲間との関係が切断され、支援につながりにくいということも大きな問題だ。

 「人間の尊厳を守り、最低限の生活を保障する」というのが生活保護の本来の目的だ。制度の谷間で「弱者」の生き血をすするやつらを、これ以上のさばらせておくわけにはいかない。@被害の掘り起こしとともに、個別の被害者を様々な手段を用いて救済していくこと、A福祉行政にこうしたグループへの規制の網を張らせていくこと、さらにB社会的な監視を強めていくことが必要だ。ボッタクリ福祉=生活保護サギをとっちめろ!
2005年09月08日更新
▲最上部へ戻る
ヒバク六〇年と見えないヒバク フォトジャーナリスト 豊崎博光(『原子力資料情報室通信』374号)
 アメリカによる広島と長崎への原爆投下に続く二〇五七回の核実験、核事故、劣化ウラン弾の使用、スリーマイル島とチェルノブイリ原発事故、ウラン採掘と核物質製造、核廃棄物の投棄など、世界は六〇年以上に及ぶ核開発によってヒバクし、多数のヒバクシャを生み出した。しかし、ヒバクの影響とヒバクシャの被害はほとんど知られていない。
 一九七八年以来、二五年以上にわたって太平洋のマーシャル諸島やネバダ実験場などのアメリカの核実験地点、、カザフスタンや北極圏の旧ソ連の核実験地点、オーストラリアのイギリスの核実験地点、スリーマイル島原発とチェルノブイリ原発、アメリカやカナダ、オーストラリア、旧東ドイツのウラン採掘地と日本や世界各地で開かれた反核・反原発・ヒバクシャ大会の取材で多くのヒバクシャに出会い、ヒバクは特定の地域と環境を汚染するだけではないこと、ヒバクシャは健康をむしばまれるだけではないことを知った。
 核爆発地点やウラン鉱山、事故を起こした核施設や原発、放射能汚染地域を訪れてもヒバクの影響による伝統や文化、コミュニティの崩壊は眼に見えず、ヒバクシャの心の痛みや不安も見えない。放射能や放射線が眼に見えないことと同様に、見えないことがヒバクの影響とヒバクシャの心の痛みや不安などがあることを忘れさせている。
 アメリカによる広島と長崎への原爆投下は、多数の被爆者を生み出した最初である。ヒバクシャは一九四二年八月にアメリカが原爆製造計画「マンハッタン計画」をスタートした時から生み出されはじめ、一九五〇年〜八〇年代の核軍拡競争、一九七〇年代の商業用原子力発電所の建設と運転によって世界中で生み出されることになった。しかし、世界各地のヒバクの実態の大部分は隠され、ヒバクシャは見捨てられ続けるという無権利状態が続いている。それにもかかわらずウラン採掘、精錬、転換、濃縮、核兵器製造と実験、核燃料製造、原発の運転、使用済み核燃料の処分と再処理、核廃棄物の処分の核兵器・核燃料サイクルは回り続け、ヒバクシャを生み出す連鎖の環は回り続けている。
 ヒバク六〇年を迎える今年、広島と長崎、第五福竜丸、JCO臨界事故と四回の被爆を体験した日本は、想像力を働かせて被爆の実態に目を向け、ヒバクシャを生み出す連鎖の輪を断ち切る運動を始めなければならない。
(『原子力資料情報室通信』三七四号より抜粋)
×
▼原子力資料情報室/東京都中野区東中野一─五八─一五 寿ビル3F/電話・〇三─五三三〇─九五二〇 ファックス・〇三─五三三〇─九五三〇/振替・〇〇一四〇─三─六三一四五/http://cnic.jp E-mail cnic@nifty.com
2005年09月04日更新
▲最上部へ戻る
政局の混乱と世論の政治嫌悪はファシズムの餌食
 靖国参拝と郵政政局をめぐる小泉の強気の背景には、日本の国家主義の台頭があると思われる。日本帝国主義を平和憲法で隠蔽しながら国家主義を再建・拡大する政策は、日本の戦後政治を独占的に支配してきた自民党政治の基調であったといえるだろう。
 それには段階があった。1950年代から60年代にかけてはアメリカの占領体制終結と世界冷戦体制の成立を背景に、日本民主化のブレーキと反共主義を軸に、「逆コース」といわれる戦前回帰の潮流が具現した。
 1970年代から80年代にかけては高度経済成長による経済大国化を背景として「豊かさ」を軸とした大国意識の助長が育成された。これらの二つの段階は、日本の国家主義の潜伏期間であったといえよう。
 現段階の1990年代から今日にかけての国家主義の顕在化は、軸足を急速に日本を戦争のできる国に転換し、有事立法によって国家が諸機関・諸企業を事実上動員できる権限を保有し、国民動員を可能とする途をひらいた。従属的な日米同盟のもとでの「アジア」に向けた帝国主義体制の確立である。
 戦前における日本ファシズムは、帝国主義国家間の矛盾の激化と、政治的、軍事的混乱を衝いて民族排他主義による国民動員体制の確立によって台頭した。政局の混乱と世論の政治嫌悪は、ファシズムの餌食であることを忘れないでおこう。(F)
2005年09月03日更新
▲最上部へ戻る
[HOMEに戻る]

人民新聞社 本社 〒552-0023 大阪市港区港晴3-3-18 2F
TEL (06) 6572-9440 FAX (06) 6572-9441 Mailto:people@jimmin.com
Copyright Jimmin Shimbun. All Rights Reserved.