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編集一言2005年01月ログ

テロリズムと環境=農業破壊
 2000年初頭のプリズムに「ふたつのすばらしいこと」が記されている。ひとつはNGOなどによるシアトルWTO閣僚会議粉砕が画期的な流れを生み出すだろうということ。もうひとつは、世界の妥協なき消費者運動によって遺伝子組み換え大豆の作付けが減少し、多国籍企業の動きを牽制する連帯行動が生まれたこと。
 この流れに沿って「世界社会フォーラム」が姿を現し「生命系民主主義」というアイデアが登場した。グローバリズムが各国政府の民主政治を掘り崩し、文化ネットワークを解体させている。その結果、民主的・宗教的熱狂に訴え、生命より利潤を保護する政治家が生き残っていく。こうしてグローバリズムの同伴者として原理主義は生まれている。
 アメリカ政府とミニブッシュたちによる<テロリズムと環境=農業破壊>という原理主義をゆるさず、「オルタナティブな経済・社会の仕組みを、地域の人間関係のなかで暮らして見せる」という戦略を世界各地で実践しよう。(I)
2005年01月31日更新
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「震災10年の教訓」の真実
 今年は兵庫県南部地震から10年を迎えます。行政、マスコミ、市民団体、ありとあらゆる人たちが「震災10年の教訓」づくりにあけくれ、新潟中越地震に何かと関連づけてようとしています。エセな議論が横行している様をみるにつけ辟易とします。
 小千谷市では自衛隊が出張って、さながら戒厳状態であったことは多くの人たちが見聞きしていること。だのに、「これっていいの!」なんて誰も言わない。地域権力体が崩壊しないで残っただけなのに「コミュニティが強い」と持ち上げて、じゃあその強いコミュニティがストレス死や避難所の実質的強制退去を起こしたことにタブーのように口をつむんでいます。行政権力と地域権力に管理・統制され、権威づけされるボランティアども。あ〜いやになる。
 もっと明るい未来を思い描きながら、「復興」とは語られるものではなかったのだろうか。(K)
 
2005年01月30日更新
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危険な兆候
 戦後日本社会が還暦をむかえた。元日のマスコミ各紙の社説はおおむね、還暦を祝う論調と、だから変革をと叫ぶ論調に二分されている。「保守」が変革を主張し、「革新」が歴史を回顧し還暦をたたえる。それは危険な時代の徴候だ。
 憲法改正、教育基本法改正。アジアへの立脚、伝統的価値の復権。これらがスローガンとして叫ばれる一方、現実にはアメリカへの従属、家族の解体、農村の解体、中国敵視が進められている。
 そうだ。奴らにビジョンなどないのだ。では、我々にビジョンはあるのか。グローバリゼーションが変えつつある世界を了解する構想を、我々は組み立てつつあるのか。
 繰り返され、蓄積され、関係の要として変革の力となり得る日常生活を、我々は生み出している。その地域をテコに、世界を変革する構想を創造しうる時代の到来だ。悲観している暇はない。
 思考せよ!行動しよう!今日もなお獄につながれている幾多の人々と共に!(M)
2005年01月29日更新
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タバコを考える
 風邪をひくたび「煙草をやめようか」と思う。にわかに健康を気遣い始めるというわけではなくて、もともと喉が弱いので吸えなくなる。「このままやめれば?」とも思うのだが、「煙草やめました」なんて、人にほめられそうなことをしてはマズイんではないか、というか最近の喫煙者への有無をいわさぬ不寛容と排除の雰囲気には、とてもマズイものが含まれている、と思っていて素直にやめる気になれない。
 とはいっても、アホな税金の使い方を見るにつけ、こんな税金の固まりに火を点けて遊んでいていいはずがないとは思う。かといって、健康増進法などという『健康帝国ナチス』ばりの法律で、国家が個人の健康に介入してきている現状に一言なくていい訳がない。コイツらもそのうち、ナチスみたいに全粒粉のパンかなんか押し付けてくるにちがいない、とか一人でブツブツ言っているうちに、また箱に手が伸びている。
(T・S)
2005年01月22日更新
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反革命の時代
 アメリカの南北戦争で黒人が解放され、ロシア革命で労働者が解放され、中国革命で農民が解放された歴史的事実は誰も否定できないだろう。けれども今のロシア・中国・アメリカの現状を、歴史はどう評価するだろうか。ユダヤ人の女性哲学者アンナ・ハーレントの「成功した革命はない」と言った言葉が気にかかる。
 イラク戦争という東西冷戦後のアメリカの一極軍事支配のなかで、北朝鮮の核開発問題がアジアの新たな熱戦の火種になろうとしている。11月12日発売の『文芸春秋』萩原遼著「金正日 隠された戦争―金日成の死と大量餓死の謎を解く―」は、核の瀬戸際外交による「金正日体制」延命の陰謀を暴いて説得力がある。
 アメリカ・中国・韓国・ロシアの公開資料と、その関係者の取材を4年かけて分析研究した命がけの仕事であった緊張感がひしひしと伝わる。第二次世界大戦のアジアの勝者と敗者の裏面を暴いたリヒァルト・ゾルゲと尾崎秀実の仕事を思い起こす。いずれも人類悲劇の現在進行形のドラマである。
 中国の黄土高原地帯で10年間植林を続ける日本の環境NGOは、「中国の経済バブルは水危機によって3年後には破綻する」と警告している。「成功した革命はない」という言葉を返せば、今は反革命の時代だと思えば腑に落ちる。(F)
2005年01月18日更新
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食の安全確保について
 偽装表示事件が表面化し、それに対応してJAS法や食品衛生法などの改正が行われてきた。食品表示に関する義務項目が増え、原産地名などが義務化され、国産か外国産か、養殖か天然物かが明確になり、それはそれで消費者の要求を受入れて判断しやすくなった面もある。産地の努力を足蹴りにして、偽装表示によって儲ける加工・流通業の存在は確かに許せない。
 しかし先日、出席した消費者団体の食品表示に関するフォーラムは、違和感があった。食の安全確保のために、違反に対する罰則強化を求める、監視を強化して欲しい、検査体制を強化すべき、密告制度が有効だ──そういった主張が増えている。アンケートにも「罰則強化」は43%の支持を集め、「消費者団体による監視」という本来の役割は15%という消費者運動の自己否定と思える結果となっている。
 こうした事態は、すでに有機JAS法によって先取りされている。食の安全・安心をリードしてきた有機農業運動は、JAS法による表示に関する監視強化だけが先行し、育成政策が示されないまま押しつぶされてきた。国産に占める有機農産物の割合はわずか0.16%の生産量であり、同じ時期に輸入海外有機は6倍の認証を受けている。
 いま食に関わってきた人々が広く結集し、環境と農業・食品について語り合うことが、改めて必要となっている。(I)
2005年01月16日更新
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大阪・豊中/保育所民営化問題をきっかけに保育をトータルに考える新しい運動が
 いっこうに快復しない景気。しかし、地方自治体は「財政破綻」や、最近全国各地で問題が明らかになってきている「カラ出張/残業問題」や「裏金づくり」に見られるように、税金のむだ遣いや市民無視の仕事ぶりを改めることがない。そして、「財政難」を口実に、さまざまな市民サービスを後退させている。
 大阪府豊中市もその例外ではない。今年九月に、一色市長は「現在豊中市内に二七ある保育所のうち、八保育所を来年四月から三年かけて民営化する」と発表した。
 民営化されると、保育業務が法人に移管される。豊中市の計画では、一月から引き継ぎを開始、三月から保育所で働く保育士さんたちは法人の人間ということになるが、実際に法人が大阪府から認可を受ける予定は四月一日。保育士さんたちは、法人から公立保育所へ派遣される形になるが、これは法的に問題がある。
 保育所に通う子どもさんを持つ保護者や、保育所で働く保育士さんたち、さらに市民が参加して「保育所の民営化計画の見直し」を訴え、「豊中の保育を考える会」(以下、「考える会」)が活動を開始した。
 問題の核心は、「民営化(民間委託)」にあるのではありません、と「考える会」は主張する。
 「民営化で保育内容の低下がないのか不安です。現に、公立保育所の保育士の平均勤続年数二一年に対して民間保育所はたったの三年。指摘されるまで雇用保険や社会保険に加入していなかった保育所もあります。ある民間保育所では、保育所経営で毎年他団体に五〇万から二〇〇万の寄付をし、最終的には三三〇〇万ものお金が残っていたことも判明しています。豊中市のやり方では、保育の低下は避けられません。」(「考える会」のビラより)
 保育所が民営化されることによって、そこで働く保育士さんたちの労働条件(労働時間・賃金など)が悪化するのではないか?利潤追求のあまり、肝心の子どもの保育内容が悪くなるのではないか?保育所の許認可権限を握っている大阪府都市の間に利権の構造があるのではないか?─こういった問題が、保育所民営化計画の公表を契機に明らかになってきた。
 「考える会」はこうした疑問や不安を持つ保育士、保護者を巻き込んで、「子どもを持つ人が、手軽に保育所の情報を知ることができるように情報を調べ上げてパンフレットを作ろう」とか「保育全体の向上のためには何ができるだろう」といった、保護者の運動としてはめずらしい、大きなトータルな運動をつくりつつある。
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▼豊中の保育を考える会/大阪府豊中市春日町四─三─一一/電話・〇六─六八四六─八三五八
2005年01月11日更新
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追悼/本と酒、そして人を深く愛した藤田さん
 藤田徹雄さんが逝ってしまった。一一月に見舞いした時には苦衷を察するに足る姿だったが、持ち直しつつあるとのことだった。帰国後に、今後のことも含めあれこれ指示を請うつもりだったのに、取材旅行中のパレスチナの地で訃報を聞き、結局葬式に列席もできなかった。痛悔の限りだ。
 人民新聞では、《鵜戸口哲尚》の筆名でいくつもの評論を書いていただき、また座談会などにもご登場いただいた。今年八月に喉頭癌・舌癌の再発が発覚し、今年五月一五日号のプリズム執筆が、人民新聞への最後の寄稿となった。
 藤田さんは、本と酒とそして人を深く愛した。評論・翻訳は多岐にわたり、特に米国の文学・映画・政治史への造詣は深く、藤田さん翻訳によるC・ブコウスキーの小説などは、独特の語り口調を編みだし、私も夢中で読んだ。評論は、読者の皆さんもご存じの通り、幅広い知識と常に現場の最前線で闘うという闘志あふれる物言いで、私も含めファンだった方も多いと思う。
 私は個人的にもたいへん世話になった。私が大学を辞め、鉄工所で働き始めた頃に知り合ったので、もう二〇年以上のつきあいとなる。学生上がりで世間知らずの私に、人の哀しさ優しさや闘い続けることの厳しさを折に触れて語り、朝まで飲んだ夜も数知れない。
 当時私は、慣れぬ仕事と人間関係にあちこちでぶつかりまくって消耗しており、藤田さんの助言に新たな方向性を見いだし、たわいもない話に安らぎをもらった。「あと三〇分だけ」が酔っぱらった時の口癖で、これが出ると結局朝帰りとなった。
 編集長就任後も、紙面構成・編集方針について行き詰まった時には必ず相談を持ちかけた。私にとっては、「困った時の神頼み」ならぬ「困った時の『藤田』頼み」の人だった。
 藤田さんは物腰は穏やかなのだが、激しく生きた人で、多くの人と『喧嘩』もよくした。「折り合う」とか「妥協」という言葉は、藤田さんの辞書にはないのか?とよく思ったが、「人を愛するのも精一杯」、「喧嘩も精一杯」の人だったと思う。癌再発を知った藤田さんは、ご自分の『死』にしっかり向き合い、残される家族のことなど「事後」を冷静に準備していた。内面の動揺や恐怖はあったに違いないが、それらを決して外に出さない凛とした姿にあらためて精神的な強さを感じさせられた。
 私にとっても人民新聞にとっても大きな人が逝ってしまった。藤田さんに頂いた多くのものは、他の人にお返ししたいと思います。それがあなたの遺志だと思うから。
合掌(人民新聞編集長 山田洋一)
2005年01月04日更新
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世相を象徴する「今年の漢字」
 二〇〇四年の世相を象徴する「今年の漢字」に「災」が決まった。この年は、地震・台風・夏の猛暑・暖冬現象など、自然災害にみわわれた年であったのは、誰もが頷けるだろう。
 私的には、日本に「韓流」ブームを巻き起こした二位の「韓」を揚げようと思うが、自然災害にはかなわなかったようですね。
 私は、昨年は韓国に住んでいたので、日本のこのような自然災害やブームは、テレビのニュースでしか確認できなかったため、本当に今は、色々起こっていたんだなーと実感しています。
 二〇〇五年は、自然災害もなく、日韓の交流もさらに発展していけば良いですね。今年も人民新聞を宜しくお願い申し上げます。(せんべい)
2005年01月03日更新
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