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編集一言2004年11月ログ

沖縄取材ノート
●沖縄を回る上で参考にした本
 私が沖縄を回った時に、頼りにした本が、『観光コースでない沖縄・第3版』(新崎盛暉・大城将保・高嶺朝一・山門健一ほか著、1997年、高文研)です。沖縄の自然・歴史・基地問題など、沖縄の全体像がよく分かります。。
 分量も手頃ですし、沖縄の入門書として十分な内容であると思います。
(高文研『観光コースでない沖縄』
 私は、レンタカーのカーナビと地図帳、それにこの本に首っ引きでした。

●沖縄はあれこれ
 沖縄に行く事があれば、ぜひ基地問題や沖縄戦跡以外にも、生の沖縄を体験されることをお薦めします。海水浴やダイビングも「あり」でしょうし、食べ歩きでも、沖縄の史跡巡り、沖縄の歴史の本を読むのもお薦めです。
 沖縄に限りませんが、その土地の文化や風土を体験できれば、それだけより「深く理解」することができるのではないか、と思うからです。
 あと、観光客向けでない、沖縄の人びとが暮らす街を、ゆっくり歩いてみたりするのも、私的には「生の沖縄」に触れた気になれました。本土と変わりのない子どもたちの登下校の風景に、「こんな子どもたちが、米兵に暴行されてしまったのか…!」という現実がより衝撃的に生々しく感じられたのでした。

●宜野湾ガイド
<1.沖縄国際大学・米軍ヘリ墜落現場>
 宜野湾市には、アメリカ海兵隊の普天間飛行場があります。沖縄国際大学の米軍ヘリ墜落現場は今も手をつけずに、墜落当時の生々しさを留めています。市民の間から「現場周辺の保存を求める」声が高まっていますが、沖国大側はまだ正式に「この墜落現場をどうするか」を決めていないようです。
 大学のフェンスの外から、墜落現場を一望できます。私も道路に車を止めて、写真を撮りました。沖国大構内からは、現場に立ち入ることができないようになっていましたし、むしろ大学外から見学した方がベターだと思います。
 それと、事件当時はマスコミが近くの高台にあるマンションからカメラを回していたようですが、(もちろん一部でしょうが)ワイワイうるさいわ、ゴミはちらかすわで住民の方々のひんしゅくを買ったようで、遠慮した方がいいのでは?と思います。
 沖縄国際大学のWebサイトには、墜落当時の緊迫した雰囲気を伝える写真が多数upされていて、必見です。

<2.佐喜眞(さきま)美術館
 沖国大と同じく、普天間基地のすぐ隣の敷地にあります。というか、もともと普天間基地の敷地だったのだそうです。館長の佐喜眞道夫さんが、ずっと返還を求めてきたのですが、国は「それなら直接米軍と交渉を」と責任回避(?)の丸投げ。佐喜眞さんは、米軍に「美術館を作りたいので、土地を返還して欲しい」と交渉したところ、OKが出たそうです(返還は1992年、開館は94年11月)。
 そういう場面(つまりこの場合では、普天間基地の機能を損なわない範囲で、美術館という文化的施設をつくるということ)では、アメリカも柔軟な対応が出来るんだ!?と驚いてしまいます。日本政府よりはいくらか「マシ」だとはいえるでしょうね。
 さて、館内の展示品の目玉の一つは、丸木伊里さん・俊さんの「沖縄戦の図」です。
 《御夫妻は歴史的事実や沖縄戦を徹底的に研究する一方、生き残った人々と共に痛恨の現場に立ち、その証言を聞かれました。沖縄戦を体験した多くの人々がモデルとなって、一つ、一つ“かたち”を創っていかれました。俊さんは、「あの絵は、沖縄戦を体験された沖縄の人々と私たちの共同制作です。」とおっしゃっておられます。》(佐喜眞美術館リーフレットより)
 壁いっぱいの大きさのキャンバスに描かれた、無数の目が私をじっと見つめていました。どの絵も、黒を基調にした「物静かな」色遣いですが、凄い迫力です。私自身がこの沖縄戦をどう考え、そしてどう生きていくのだ、ということを問われた気がしました。
 美術館は「沖縄環境ネットワーク」の世話人でもある、真喜志好一さんが設計。建物は沖縄戦が終結した6月23日の太陽の日没線に合わせてつくられています。
 屋上からは隣の普天間基地が見渡せます。基地の端が見えないほどの広大な敷地。ここが宜野湾市のど真ん中にあたります。
 《心が落ち着いて静かに「もの思う場」》(リーフレット)として、沖縄を訪れたなら、ぜひゆっくりと時間を取った訪問をお薦めしたい場所です。館内には喫茶室もあります。

<3.嘉数高台(かかずたかだい)公園>
 今回の取材旅行で、私は残念ながら行けませんでしたが、この嘉数高台公園では普天間基地を一望することが出来るそうです。地球儀を形取った360度パノラマ展望台からは、北は残波岬、西は慶良間諸島などが見えるとのこと。
 この場所は、沖縄戦の激戦地で、公園内には、戦時中使用されたトーチカが残っています。犠牲となった方々の慰霊碑が、出身地別に建立されています。
(Googleで「嘉数高台公園」を検索
2004年11月28日更新
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戦争をはじめることは「強い」のか?
 戦争を始めるという決断を「強さ」と結びつける人たちがいる。いったいどれくらい強ければ、異国の地で何千もの同胞を死に追いやることができるのか?
 特に、自分は家で家族とぬくぬくと傍観しているというのに。
 どれくらい強ければ、弱い軍隊と生活も経済もがたがたの国に対して、最先端の軍事技術をもって町々を瓦礫にする爆撃の命令を下すことができるのか。強くならなくても、できる。狂えばいいのだ。
 香田証生さんがもし自分の子どもだったら、非国民と呼ばれようと、反日分子とレッテルを貼られようと、私は小泉首相の自衛隊派遣の責任を問い続けるだろう。「イラクは非戦闘地域である」といい続ける日本政府に怒りをぶつけ、自衛隊が戻るまでやめないだろう。
 自衛隊に志願した若者たちは、この国を守るために入隊したはずだ。なぜ、彼らは爆弾の飛び交うイラクにいるのか。彼らは人道復興支援をしているはずなのに、なぜ攻撃を受けるのか。早く無事に戻ってきてほしい。一二月一四日の自衛隊撤退期限には必ず。
 国籍を問わず、子どもを失う悲しみを、これ以上誰にも味合わせたくない。
2004年11月27日更新
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大阪駅のAさん
 某日、大阪駅で顔見知りのAさんとばったり出会う。Aさんは野宿生活を送っていて、取材を通じて知り合うことができた人だ。
 駅の片隅で、小さな宴会(?)をやりながら、色々話をしたけれど、そうやって自分の顔を覚えてもらえて、取材以外で付き合ってもらえるなんて、ホントに嬉しいことだ。
 ああ、きっとこんな日常での人との出会いが、元気の素なんやね。また、踏ん張っていこうっと。(ろ)
2004年11月26日更新
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存在の耐えられない軽さ
 あの軽さは何なのだろうか。1人の青年の死を、己が選択した責任など、ミジンも感じさせない軽薄な顔。軽薄な言葉。
 ファルージャで砲弾にさらされている多数の市民を横目に、「自衛隊の居る地域が非戦闘地域です」とニヤケた顔で答える小泉。「そうだ、そうだ」とヤジる自民党の議員共。
 この耐えられないほどの政治の軽さをつきつめていくと、グローバリズムの本質が見えてくる。全てを代替可能な商品と化していく、すさまじい渦が見えてくる。小泉なんて使い捨て。気付いていない本人がノーテンキなだけなのだ。
 そう言えば、再選されたブッシュは、さらに上をいくほどの軽さで、何千、何万の人々を殺し続けている。そんな軽くて判りやすい人種差別主義者が、農村や下層のアメリカ民衆に支持され、ケリーは都市部の上品な知識人の支持しかつかめずに僅差で敗北した。その事実が、政治を真面目に追求する世界の人々に突きつけた意味は重い。
 グローバリズムが世界の隅々にまで持ち込んでいる商品経済は、人の命は言うまでもなく、地球の未来さえも商品として切り売りし続けている。1人の人間の存在など、そのシステムの中では代替可能な売り物でしかない。小泉やブッシュは、そのシステムを守るべく、己れの存在も又、無限に軽い存在となり果ててしまっているわけだ。
 道は遠い。けれど1人の人間の重みを取り戻す政治の質を!(M)
2004年11月25日更新
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派兵反対ゼニカネ訴訟・第1回口頭弁論-大阪地裁 7名の原告イラク派兵反対を陳述
 「イラク派兵費用差止め関西本人訴訟」(通称:派兵反対関西ゼニカネ訴訟)の第一回口頭弁論が、大阪地裁二〇二号大法廷で行われた。
 派兵反対関西ゼニカネ訴訟は、「イラク特別措置法」に基づき自衛隊が実施する人道復興支援活動への国費支出差し止めを求めた本人訴訟で、全日建運輸連帯労組近畿地本副執行委員長で、元自衛官の川村賢市さんが呼びかけた。
 この裁判は、自衛隊のイラク派兵で投入される費用の問題に焦点を当て、国に対し、違憲・違法なイラク派兵の費用の差止めを求めたものだ。呼びかけ人の川村さんは、「私たちは、法律の専門家ではない労働者や市民の感覚を重視し、自らが積極的に裁判の進行に関わっていこうとの立場から、今回の裁判を代理人を立てずに本人訴訟で取り組むこととしました」と語る。
 この日は、原告三七名の内二八名が原告席に座り、七名が意見陳述を行った。最初に証言台に立った川村さんは、「元自衛官として後輩たちが戦場に行くことを黙って見過ごすわけにはいかない」として「専守防衛が自衛隊の任務であり、海外派兵は不当な業務命令だ」と意見を述べた。また、小西弘泰さん(高槻市議・医師)は、実物の「教育勅語」と「開戦の詔書」を示しながら、軍国主義一色の少年時代の体験を語り、小泉政権の戦争政策を批判した。
 公判後、原告団と支援者約八〇名は、裁判所から梅田駅までデモ行進で、「イラク派兵反対」を訴えた。
 自衛隊派遣をめぐっては札幌・東京・名古屋各地裁でも訴訟が起こされている。北海道・東京・山梨・名古屋と訴訟のHPがある。
@自衛隊イラク派兵差止北海道訴訟
@イラク派兵違憲訴訟の会・東京
@愛知県の男性がイラク派兵差止め訴訟
@「派兵は決定的違憲」市民訴訟の会・山梨(代表・小出昭一郎)
@自衛隊イラク派遣は違憲
 問い合わせは大手前法律事務所(辻公雄弁護団長)、電話〇六(六九四五)〇三〇八
2004年11月24日更新
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邦人拘束事件における占領国側の責任 オランダ軍撤退で、日本人への攻撃激化も
 日本人旅行者の香田さんがイラクの「ザルカウィ派」武装勢力に拘束、殺害された。以前起きた拘束事件に比べて極めて厳しい状況にあるという見方が大勢を占めていたが、その予測通り最悪の結果となってしまった。
 メディアはこぞって外国人であるザルカウィ氏一派の残虐性をアピールすると共に、香田氏の行動を無計画だと非難。自宅には抗議の手紙などが多数舞い込んでいるという。
 彼は「反体制」的行動をした経験があまり見られないところから、「お上」に逆らう者は許せないと考えている人間がいかに多いかということを端的に示すものだろう。大変心を痛めていると推測される家族への無責任なバッシングは、「言論の自由」があるとはいっても、その方法を考えるべきだ。

盛り上がらなかった助命運動
 また、今回の拘束事件の解決を困難にしたもう一つの要因は、「助命運動が盛り上がらないこと」にあったのではないだろうか。日本中の多くの市民が、救出に向けて動いた前回の事件に比べ、今回は、いつくかの市民団体、宗教団体が声明を上げた程度で、あまりにも規模が小さい。何の任務も帯びていないバックパッカーだからという理由であるならば、「人道主義」の看板は降ろさなければならないだろう。
 今後政府の責任逃れとして、「自己責任」論がマスコミによってさらに強く煽られていくことが予想されるが、これについても冷静に考えてみると、根本の部分に誤りがある。拘束された当初の段階で小泉首相は「自衛隊は撤退しない」と明言した。このことによって、香田さん救出に向けての交渉の余地が無くなったことは明らかであり、上手く立ち回らなかった政府の責任こそ問われるべきものなのだ。

米軍が「作り出した」ザルカウィ派
 もともとフセイン体制のイラクは、極端な弾圧政治下にあり、海外武装勢力の入ってくる隙間は少なかった。しかしアメリカが侵略を行った結果として、外国からの抵抗組織の流入を招き、その中には最終的な勝利のため、誘拐や諜報といったことを重点的に行うグループも出てきたのだ。つまりザルカウィ派はアメリカが「作り出した」と言える。
 自衛隊の占領が継続された場合、オランダ軍が撤退を決定していることからも、ますます日本人に対する攻撃が激しくなることが予想される。「テロリスト」に憎悪をぶつけるのではなく、占領から手を引かない限りは同様の事件は今後も起こりえるだろう。(東京・田中大也)
2004年11月23日更新
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大統領選挙をみて
 アメリカの大統領選挙が行われた。なぜ間違った戦争をイラクで起こしてしまった候補を、アメリカ人の半分が支持しているのかが不思議だ。大量破壊兵器はなく、アルカイダとフセインとの関係もなかったことが分かり、開戦理由がなくなったにもかかわらず。この大義なき戦争にいまだアメリカの若者が死に続けており、イラク人との戦闘も終わりが見えない。
 アメリカの若者に向けたアンケートを見ると、87%が世界地図でイラクの地図を示せなかった、という。また、自国の人口を聞いたところ、3人に1人が10億から20億人と答えたという。
 また、別の国際比較調査を見ると、「天国がある」と思っている比率は、アメリカでダントツの85%、多民族であるが、キリスト教徒が大部分である。ちなみに日本21%、フランス28%。アメリカの宗教性はイラン・イラクと同じレベルのものだ。
 アメリカは、「世界の中心にある」という思いこみが強く、宗教性が極めて高い国民であり、イラク戦争を宗教戦争だと思い込む土壌がある。
 イラク戦争は、OPECが石油のドル決済をユーロに変える動きを封じる戦争であることは明らかだ。そして、一握りのやつらが石油利権を獲得するために、世界をアメリカと同一化する使命があるとの宗教意識を増幅させることが必要だ。宗教性の少ない日本人の役割は、ポチ状態以外にもあるはずだ(I)
2004年11月22日更新
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香田証生さんの死について
 イラクで人質となっていた香田証生さんの遺体が発見された。それは星条旗に包まれていたという。
 日本は自衛隊という軍隊を戦地イラクに派兵している。戦場に軍隊を送っているのだから、その行為は死を賭したもののはずだ。ところが小泉は「復興だから」「安全」だから「派遣」していると言う。
 だったら今回、なぜもっと柔軟な対応をとれなかったのか、星条旗に向かってそんな態度はとれないというのが本音。そして勇ましい指揮官は、敵に背を向けるような指令は出したくないのだろう。(H)
2004年11月21日更新
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農水省、作況指数101と発表〜米価暴落に追い打ち 「自給率向上」を言いながら、農破壊を進める農水省
 「作況指数一〇一なんてとんでもない。台風の被害で我々の地域なんて九〇を切っている」──兵庫県・農協関係者の言葉だ。
 新米の入札価格が暴落している中、農水省は、今年の米の作況指数を一〇一と発表した。二〇〇四年産米は九月一〇日の入札で、全銘柄の平均の落札価格が六〇キロ当たり一万五八九七円と、同期の落札価格としては過去最低。農家に仮払いされるコメの仮渡し金価格も大幅に下落し、茨城・千葉両県では昨年より四割以上の引き下げになっている。
 一方収量は、「例年並みなんてとんでもない」というのが農家の声だ。今年の夏には気温が上がり、日照も十分で、確かに「豊作」が予想されていた。しかし、立て続けの台風が収穫時期に重なり、事情は一変した。
 全国の実態はまだ明らかになっていないが、四国・九州・東北地方では、指数九〇を切る地域も少なくないという。全国の生産者は収穫の秋を迎え、大きな不安を抱えているのだ。

意図的に作況指数を上げる理由

 にもかかわらず農水省は、「例年以上」の収穫との発表を行うのは何故なのか?
 農水省は、米の価格が高騰しないように、基本的に作況指数を実際よりも高めに発表する、という政策判断がある。作況指数を九九にしようが、一〇一にしようが実際の生産量としては大きな差はないのだが、市場に与える影響は大きく違う。
 政府が米を全量買い上げていた時代とは違い、自主流通米が価格形成の主流になって以降、特に一九九四年に成立した新食糧法後、作況指数も市場価格を形成する大きな要素になっている。
 先の農協関係者は、「昨年は冷害で作況が悪いのを隠しようもなく、そのまま発表した。しかし、米価が上がりすぎたために逆に消費者の米離れを起こしてしまったという反省がある。つまり農水省にすれば、米価が高ければいいということではなく、今年も二年続けて凶作というのは発表しづらいのだろう」と語る。
 しかし、農家にすれば、収穫が減っているのに追い打ちをかけて価格が暴落しており、これをさらに悪化させるような発表を農水省が行ったことになる。これでは農家は米作りからますます離れていくばかりだ。
 農水省は昨年、米政策大綱を発表し、「食糧自給率を四割まで上げる」と公言した。農家への補助金を大幅に削減して市場淘汰に任せ、「売れる米づくり」を目指すという基本姿勢を打ち出した。こうした米改革の初年度に大幅な価格下落を引き起こし、改革それ自体への農家の不信はさらに大きくなっている。価格下落は新しい食料・農業・農村基本計画で主役≠ニなる担い手ほど打撃が大きい。
 コメの価格・需給安定の責任を放棄し、市場任せにする政府は、「自給率向上」との言葉と実際の政策展開の不一致が甚だしい。
2004年11月20日更新
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本紙記事続報
 本紙記事の続報を、二つほどお伝えしよう。
 九月一五日号「守口・門真市でも合併を問う住民投票」。結果は守口で否決された(「反対」が八七%)ものの、門真で投票率「五〇%条項」をクリアすることができず、開票されなかった。
 市民から明確に「合併反対」の意思を示されたにもかかわらず、今月一九日の「合併協議会」では「わだかまりを残さないようにし、キレイにお別れしたい」と協議会解散を先送りにした。
 沖縄・辺野古では、カヌー隊による「ボーリング調査」阻止の行動が続けられているもの、連日のハードな行動で疲れがピークに達している。
 防衛施設局もカヌーを転覆させたり、罵声を浴びせたりするなど、圧力の度合いを増しているとのことだ。(Q)
2004年11月19日更新
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「沖縄戦」で戦功を上げた米海兵隊員の名を冠する在沖米軍基地
 在沖米軍の3分の2を占める海兵隊。「キャンプ桑江」「キャンプ瑞慶覧」「普天間飛行場」と地名をとった海兵隊基地に混じって、「キャンプ・ハンセン」といった、すべてカタカナ名の基地がある。これらはすべて、かつての「沖縄戦」で勇名を馳せた海兵隊員の名前を付けたものである。
 例えば、いま普天間基地の移転先としてボーリング調査が強行されようとしている辺野古(名護市)にある「キャンプ・シュワブ」は、戦略上において重要な日本軍の2つの機銃陣地を破壊する戦功を立てた、火炎放射機の射手=アルバート・E・シュワブ上等兵にちなんだ名前。本文で触れている「キャンプ・コートニー」(具志川市)は、占領作戦において部隊を率い、日本軍に壊滅的な打撃を与え、戦死したヘンリー・J・コートニー少佐の名を冠したものである。
2004年11月15日更新
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官僚の掌で踊る小泉 郵政民営化よりも「年金制度改革」こそが急務だ
 九月二七日、「郵政民営化」を掲げて、小泉改造内閣がスタートしました。私は、これが本当に実現するのか疑問に思っています。
 というのは、小泉には前例があるからです。昨年、「道路公団民営化」が実現しましたが、その中身たるや、「似て非」なるものでした。
 道路公団から移行した「高速道路会社」には、建設省が策定したが実現していなかった道路計画を、そのまま引き継がせていました。これだと、建設省の面子は潰れないで済むし、高速道路料金は上がり続けます。
 小泉首相は、国民の目の前で役人を「切り捨て」ていますが、結局実際には、役人の言い分も聞いてやっているのです。それが、「小泉改革」の限界です。
 郵政は郵便と貯金・簡易保険(簡保)で成り立っていますが、これを一緒にして議論すると混乱するので、分けて考えることにします。
 「郵貯・簡保」は戦後復興期の遺産であり、公的部門が持っている理由は既にありません。従って、これを民間部門に移すという彼の方針に、私は原則的に賛成です。
 「国鉄民営化」の時、同時に郵貯の民営化も構想していたようですが、政府・与党も「国鉄民営化」でエネルギーを使い果たしてしまい、当時それをする余力がありませんでした。
 その後、佐川急便・ヤマト運輸などが生まれ、郵便部門にも民間企業が進出し、その条件が整ってきた、ということなのでしょう。

「伏魔殿」である「特殊法人」
 政府は戦後復興期に経済再建のための巨額の資金を必要としましたが、それを調達するために国債を発行します。この国債を引き受けたのが「郵便貯金積立金」でした。こうして国民が預けたカネで、郵政省はせっせと低利の国債を買っていました。
 加えて、レジャー産業に全く経験のない社会保険庁は、この巨額の積立金を使って、豪華なレジャー向け宿泊施設を幾つも作り、巨額の損失を計上していました。
 マスコミは触れていませんが、郵貯資金のもう一つの運用先は「財政投融資会計」です。財政投融資会計は国会への報告が不要なため、この抜け道を利用していかがわしい処に貸し出されていました。それは「特殊法人」です。
 特殊法人は幾度となく、政治家による汚職の舞台としてマスコミに登場してきましたが、それはこんな抜け道があったからなのです。従って、郵貯資金の融資先には巨額の未返済額、言い換えると収支バランスの中に赤字があるはずです。
 民営化に当っては、これを徹底的に精査し、未回収資金の全額回収が前提です。
 小泉首相の言葉は明晰ですが、実際にやることは官僚の手の平で踊っているようなもので、こんな言葉の軽い首相も珍しいです。

特定郵便局制度は時代遅れ
 郵政民営化に関して、個々の自民党議員にとって切実な問題は、特定郵便局の存在です。特定郵便局長は、自民党議員にとって、地元後援会の中心になっているからです。
 民営化されれば、当然、特定郵便局長制度は廃止されます。
 田舎の特定郵便局長は、殆ど地元の旧家・資産家です。彼らは公務員として勤務するので、規定に従って給料が支払われます。郵便局の局舎を作る際は、自分の土地を提供するのが慣例になっていますが、局舎の所有権は国に帰属し、賃貸されています。
 特定郵便局長になるには試験がありますが、殆ど無競争で合格です。世襲で、年収平均八五〇万円です。
 農山村の特定局は仕事がなく、暇を持て余しているのが実情です。それで、彼らは地元の顔役・名誉職であり、議員の選挙地盤の「お守り役」をしているわけです。
 自民党議員にとっては、郵政民営化で特定局が無くなるのは切実な問題でしょうが、この制度が時代の変化に合わないのは事実です。
 テレビで、「郵政省がコンビニと組んで小荷物を扱う」、と報じられましたが、これは役所が民間企業に仕掛けた「不正競争」であり、いただけません。何故なら、既存のヤマト運輸は民間企業なので税金を払っていますが、郵政省は免税だからです。
 これでは、公正な競争とはいえません。郵政省がこれをやるなら、民営化してからにすべきです。
 国民が今、国会に最も望んでいるのは、郵政民営化ではありません。前国会から懸案の「年金制度改革」です。小泉首相は「人生イロイロ」と、おちゃらかして、国民の反感を買いました。
 この後始末こそ緊急・必須の課題のはずです。「郵政民営化」の影に隠して、小泉首相は先延ばしにしようとしているのでしょうが、野党は肝心・緊急の問題を見失わないようにして欲しいものです。 (W)
2004年11月13日更新
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米軍の軍事行動による東アジア諸国での被害状況
【フィリピン】
 91年ピナツボ火山の噴火で、住民がクラーク米軍基地近くの地域に移住することになった。92〜99年の間に約2万人が空軍基地司令部に移住。後にそこに移り住んだ住民たちから、健康障害が出た。使っていた水から、有機塩素系殺虫剤の「ディルドリン」や溶剤などの様々な有害物質が見つかった。
 また米海軍基地のあったスービック湾域からは46ヶ所の汚染地が発見された。発見された有害物質は、ヒ素や鉛・VOC(揮発性有機化合物)などである。
 99年以降に行われた調査により、米側に浄化や健康被害の補償を求めている。

【韓国】
 韓国の都市部にある米軍基地は93ヶ所、総面積60700エーカー、3万人近くの兵士がいる。韓国にある米軍基地の環境汚染は確認したもので45件あって、油漏れ24、騒音8、水質汚濁5、不法投棄4、その他4件という内訳になっている。

【ベトナム】
 ベトナム戦争時、米軍がベトナム南部に散布した枯葉剤7200万gのうち、86%は森林地帯に向けられた。主に「エージェント・オレンジ」と呼ばれる枯葉剤が使用され、これには非常に毒性の高いダイオキシンが高含有量含まれていた。
 破壊された広大な地域に森林を再生するための試みは初めは失敗したが、いまでは数千fにも及ぶ熱帯樹林を植樹することに成功し、マングローブの森や、湿地帯の環境も回復しつつある。
(『おきなわ環境ネット』沖縄環境ネットワーク通信22号《2002年》より抜粋して作成)
2004年11月12日更新
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沖縄取材から帰ってからも、沖縄の状況はめまぐるしく動いている。
 小池沖縄担当大臣(環境大臣も兼任!)と町村外相が相次いで沖縄を訪問。小池大臣はものの数分で視察を切り上げ、「普天間代替施設の建設は着実に推進する」と表明。町村外相にいたっては、沖国大へのヘリ墜落現場を視察し「操縦士の操縦がうまかった」「事故を機に学生が勉強をサボったりしないように」と発言。
 沖縄電力が、原発の導入を検討中であることを表明。極めつけは、今年八月に米軍属が基地内で働く女性の住居に侵入し強姦していたという、とんでもない事件が発覚した。永田町の政治屋たちの態度には、怒りを通り越して情けなくなるばかりだ。
(小比類巻)
2004年11月11日更新
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ブッシュ再選と小泉の末路/米国産牛輸入再開?
 アメリカ産牛肉の輸入再開が秒読みに入った。ブッシュは日本政府に、大統領選直前の再開決定を強く要求していた。地元テキサスの有力産業の一つ畜産食肉業界からの支持固めに必要だったからだ。
 皮肉なことに、そんな時、小泉政権の要となる新しい自民党幹事長には武部が就任した。あのBSE騒動の渦中で、農相にしがみつき通した人物だ。今度はブッシュの要求に応えて、日本の消費者をいかにダマすのかに知恵をしぼるのだろうか。
 鳥取県の片山知事が、国産牛の全頭検査実施に至る舞台裏をマスコミにバクロしていた。全頭検査を要望する県当局の声を完全に無視して「非科学的」と切り捨てた厚生労働省が、一日で手のヒラを返して全頭検査実施を決め、一言の説明もなかったという下りは、大いに笑えた。
 そんな彼らが今回は、アメリカ産牛肉の輸入再開の為に、全頭検査の見直しを実施しようとしている。口実は「科学的所見に基づいて」。またまた笑わせてくれるというワケだ。
 自国の消費者をバカにし、生産者をバカにし、同盟国のボスの顔色だけを伺う輩は「売国奴」と呼ばれて来た。売国奴の末路はいつの時代でも同じだ。頼りにしていたボスにはいとも簡単に捨てられ、裏切り続けてきた人々によって地獄へ叩き落とされる。
 ブッシュが再選されようが、理念のカケラもない日本の官僚と小泉の末路は不変。 (M)
2004年11月10日更新
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沖縄取材
 九月末に四泊五日で沖縄取材に出かけた。月並みな表現で申し訳ないが、海の色、空の色、山の色すべてが美しかった。今回一面で報告した辺野古の写真もカラーでお届けできず、残念です。
 抗議船に乗せてもらって、防衛施設局のボーリング調査への抗議行動を取材中、記者も一緒に「防衛施設局は帰れ!」等と叫んでいたのだが、そのうちつい調子に乗って「ええ加減にせえ、このボケ!」とやってしまった。間髪を入れず、抗議船の船長さんから「乱暴な言葉遣いは止めてください」とたしなめられてしまった。反省しきり、である。
 辺野古現地では、座りこみや海上での抗議行動で緊迫した状況が続いているが、その行動のモットーは「非暴力」。人々が暮らしている場所で、根を張りながら生活を営む事の力強さを目の当たりにしたような気がした。
 次号は、在沖米軍による環境汚染問題に取り組んでいる「沖縄環境ネットワーク」を紹介する予定です。 (小比類巻)
2004年11月06日更新
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ここまできた学生自治破壊「周到な準備でサークル・リストラ」法政大・強権清成学長、学生会館解体
 大学全入時代を迎えようとしている今日、全国の大学は、その市場価値を高めるため、「企業に役立つ人材育成」と「経営の健全化」に躍起になっている。
 こうした大学にとって邪魔な大学の自治や学生の自由は徹底的に破壊されつつある。全国の大学で、自治の物質的・精神的な拠点である学生寮などを、「老朽化」を理由に解体し、再編するという、東大や山形大のような動きが、全国の大学で巻き起こっている。
 そんな中、東京都・法政大学市ヶ谷キャンパスで起こった大学自治破壊の動きは、前代未聞のものだ。
 法政大の学生会館は学生の自治下にあったが、これを大学の管理・監視下に置きたい清成学長は、四月に起こったボヤ騒ぎをきっかけに、七月にほぼ一方的な形で学生会館の解体と、それに代わる複合型施設の建設を発表した(法政大自治会メンバー)」。
 その内容は、学生会館内の数百に及ぶサークルを放り出すという、学生生活の根底を揺るがすようなものだった。
 大学当局側は、発表の席にスライドを用意し、サークルBOXの中にある漫画本を指し「漫画喫茶?」。同じくBOX内にある麻雀卓を指し「ジャン荘?」などと写真の中に書き込み、学生の自治がいかに未熟なものかとネガティブ・キャンペーンを展開した。(漫画本は「漫画研究会」、麻雀卓は「麻雀同好会」のものであり、正規の活動の枠内ということが判明している)

文句を言える雰囲気じゃない

 この大学側の発表に対し多くのサークルから不満と糾弾の声が上がったが、大学当局はそれを見越してか、夏休み直前に発表を行い、夏休み中にロックアウトして解体作業を開始するという、ある種周到な作戦にでたのだった。
 これを受けて学生自治グループは、九月九日に反対集会を開催。法政大の外部からも、東京大・山形大の元寮生らが集結し、解体の反対を訴えた。
 「これは前代未聞のサークルに対するリストラである」―休み中のせいもあってか、この訴えに耳を傾ける学生の数は少なかったが、これまでの流れを考えれば「大学側のやり口に不満を持つ学生の数は少なくないだろう(自治会メンバー)」。
 また、大学職員の間にも、「正直にいったらおかしいと思う」と感じる人間も少なくない。しかし、トップ・ダウン式の強権体制を敷く清成学長の元では、「文句を言える雰囲気ではない」というのが実情のようだ。
 「学生自治」が守られるのか、自治破壊が「新しいステージ」に行ってしまうのかという今回の問題は、法政大学にとどまらず、全国の学生にとって重要な問題になっていくだろう。推移に注目したい。(東京・田中大也)
2004年11月04日更新
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ヘリ墜落事故現場より思った事 ◆南風
 ちょうどその日は抗議集会があり、そこで事故を目撃した中学生の女の子がお母さんを背にして、集まる大衆の前で事故の様子や感じたことを話してくれました。その子が話の最後に、「私は基地のない沖縄を想像できる」と言った時に、私はハッと驚かされました。
 これまで「基地のない沖縄」を、私は想像したことが無かったからです。当たり前だと思っていたことが決して当たり前ではなく、米軍基地って沖縄になくても良かったんだ!と目から鱗と言いましょうか、中学生の女の子に教えて頂いたように思いました。
 日米安保とか、地位協定だとか詳しいことはよく分かりませんが、基地のない沖縄を想像する女の子に希望を見たように思いました。
 落ちてもなお、ヘリ飛行を中止しない米軍。沖縄に基地を押しつけようとする日本政府。ヘリが落ちても何一つ行動で示せなかった沖縄県知事。
 あなたたちは「基地のない沖縄」を想像することができますか?
 私には、沖縄から基地がなくなる日が近づいていることを感じることができます。
2004年11月03日更新
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プロ野球スト
 今回の日本プロ野球選手会のストライキは、いろいろな話題に事欠かない。その余波はもっぱら「ライブドア」か「楽天」かの新球団参入審査に関心が移っているが、このストライキ効果について労働界から何も議論が起きないのは不思議でならない。
 プロ野球選手会は労働組合として認知されており、スト権投票は98%もの高率で成立し、足並み乱れず全面ストに突入した。結果は選手会の団結の勝利とも、支援したファンの勝利とも世論の評価は高い。しかし、なぜ選手会が労働組合であったか?その意味についての議論は殆どない。
 何億円もの年俸契約者がいるプロ野球選手、が果たして賃金労働者なのか?首をかしげるものは結構多い。正式には個人事業契約だそうだが、個人事業者が団結して労働組合の認定を取ったこと、それがストライキ(同盟罷業)をやったところに注目すべきであろう。
 プロ野球選手会は、労働組合の形態でいえば日本では珍しいがクラフトユニオン(職業別労働組合)に属する。今や労働者が賃金契約から事業契約に切り替えられ、労働法の脱法行為が主流となっている現在、この労使関係に一矢を報いるチャンスが到来したとみれば、結構面白くなってきたと言えるのではないか。(F)
2004年11月02日更新
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