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監督・脚本=ラデュ・ミヘイレアニュ/出演=アレクセイ・グシュコブ、メラニー・ロラン、他/2009年/フランス/配給=ギャガ/124分
更新日:2010/07/01(木)

[情報] 映画評/「オーケストラ」
──評者=松永 了二

共産党政権の誤りを直視する

チャイコフスキーバイオリン協奏曲の名演奏に秘められた、ソビエト共産党独裁時代の悲劇。ブレジネフの過ち─》

そんなことは、映画の案内パンフレットには少しも書かれていない。見出しには、「愛すべき寄せ集め楽団の大逆転に、笑って、泣いて、拍手喝采!」「さぁ、人生を奏でよう」などの言葉が踊る。旧ソ連共産党への批判は、小さく見えないほどの字で数行書かれているに過ぎない。

確かにチャイコフスキーのバイオリン協奏曲をはじめ、劇中流れる数々の名演奏は感動的であったが、私が涙したのは、最後に明らかになる、このボリショイ交響楽団の隠された影、旧ソビエト共産党時代の圧制の犠牲になった人々の苦渋が明らかにされるシーンだった。

ユダヤ人パージを拒否し、劇場清掃員に追いやられた天才指揮者。反共産党政権と見なされ、ボリショイ楽団を追放される楽団員。そして名女性バイオリニストは、「ユダヤ人であること」を理由に、シベリアに抑留され、死んでいったのだった。

これがスターリン時代の出来事ではなく、30数年前のブレジネフ政権の弾圧として画かれているのだ。スターリンが独裁権力の保身のために、罪なき人々を暗殺し、シベリア抑留したことなどは、今では明らかにされ批判されている。しかし、スターリン死後30年近くもたったソ連で、まだこのようなことが行われ続けていた事実を、私は最近まで知らなかった。

現在の中国共産党の有様や旧ソビエト共産党のこのような恥部を見るにつけ、「共産主義の理想を標榜してきたひとりとして、何か自分も共犯者ではなかったのか?」と涙ぐんでしまうのだった。

同様に、ソ連軍占領後のポーランド軍を弱体化させるために、スターリンが命じた将校達の抹殺をアンジェイ・ワイダ監督が暴露的に画いた「カチンの森」も、最近公開された。この謀略も、長くナチスの仕業と隠蔽されていた。昔は左翼の中では「いくら何でもそんなことまで」と、むしろ西側からの謀略宣伝のように捉えていたが、最近になってロシア政府は、スターリンの命令によるものだと認めた。

ソ連共産党や中国共産党が犯した大きな過ちを直視し、改めて批判していかねば、新しい世界は作り出せないと思う。救いは、この二つの映画がいずれも老若男女で満席だったことだ。

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